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MG ミゼット,フロントアクスル左のハブの分解,組み立て [ MG ミジェット シャシー]

 
 MG ミゼットのフロントサスペンション回りを清掃しようと点検してみたが、あまりにも汚れがひどく結局フロントサスペンションを外してしまいました。
 
 サスペンションを外し懸命に清掃してみると、部品の錆が目立ち、又「どんな構造になっているのか?」「内部の部品は大丈夫だか?」ッとなり、終わりのない泥沼に入って行く。
私の悪い癖であり、悪い性格です!!


 で、個々の部品迄心配し始めたらもう止まらず、まずはフロントハブの分解を始めました。
 フロントハブは一般的には「2個のテーパーローラーベアリング」が使われていますが、この車は「2個のアンギュラー型ボールベアリングとスペーサーによる調整」で成り立っています。

 まずハブキャップを外し、次に割ピン,ホイールベアリングナット,ワッシャーを外します。

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 次にスタブアクスル(ナックルスピンドル)からハブ&ブレーキローターを引き抜く様にして外します。 ハブとナックルスピンドルとの間もやはり泥が詰まっていました。

blogDSCN3907.jpg



 アウター(小さい方)とインナーベアリング(大きい方)をドライバーとハンマーで抜いてみました。 抜いている途中でベアリングのボールがバラバラになってしまいました。
(ボールは一杯あったのですが、写真はその一部です。)

 ハブ本体の黄色矢印部の溝がベアリングを外す為の溝で、ここのベアリングにドライバーなどを充てると外し易い。 又、空色矢印の部品はスペーサーで、このスペーサーにシムを追加したりしてアウターベアリングとインナーベアリングのガタを調整します。
(一般的にフロントハブのベアリングがテーパーローラーベアリングの場合は、スペーサーやシムを使わずナットの締付け具合で調整を行います。 この車はアンギュラー型ボールベアリングの為スペーサーとシムで調整する様にしたのでしょう。)

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 この車のサービス部品は「アンギュラー型ボールベアリング」と「テーパーローラーベアリング」が設定されています。 私は迷う事なくテーパーローラー型ベアリングを購入。

 下写真は購入したテーパーローラーのハブベアリングキットです。 オイルシールやナット迄入っていました。 何故か割ピンが2個入っています。

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 分解が終った所で、組み立ての準備です。

 組み立てではテーパーローラーベアリングのアウターレースをハブと並行にスムースに圧入したく、以前ジャガーのレストア時に製作した「自作のプレス機?」を組み立て行う事に。
(たった2個のベアリングの圧入だからハンマーとドライバーでトントンと叩き入れた方が早いと思いますが、「ハブと並行に圧入」にこだわって見ました。)

 ずいぶん長い間眠っていた自作プレス機の部品です。 今思うと「良くもまァ~ アングルをここ迄切り刻んで、穴だらけにしたもんだ」だと思います。

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 で、自作のプレス機を組立、ダルマジャッキをセットし、ハブとベアリングのアウターレースをセットし圧入開始です。
blogDSCN4102.jpg blogDSCN4103.jpg


 下写真は圧入し終わったインナーベアリングのアウターレースです。 同様にアウターベアリングも圧入しました。 

blogDSCN4106.jpg



 下がテーパーローラーベアリングにした時の構成部品で、組み立て順序は写真のインナーベアリングを最初に組付け、次にグリースシールを一番奥に組付け、次いでテーパーローラーベアリング用スペーサー、スペーサーの順に右側に組付けて行きます。

blogDSCN4189.jpg


 ハブを車に組み付けるにあたってはハブベアリングのインナーとアウターベアリングの位置調整(ベアリングのガタやプレロード(予圧))が必要です。

 で、ハブの一番奥に組み付けるグリースシールは組付けず、インナーベアリングとアウターベアリングに少しのグリースを付けてスムースに回る様にし、インナーベアリング、テーパーローラーベアリング用スペーサー、大きな本来のスペーサー、0.003インチ(実質0.09mm,0.05インチシムもある)のシム、内側にタブの付いたワッシャーをスタブアクスルに組み付け、ベアリングキットに付いていたナットを(MG マニュアル指定の)6.4kg・mで締付けます。 

 で、ナットを締め付けた後、何度かハブを回してベアリングをなじませてから下写真の様にハブベアリングのガタを確認しました。
 結果、何とシム8枚(0.72mm)でやっとベアリングのガタ 0.11~0.12mmのが出ました。
シムを多めに購入したつもりが左側だけで使い切ってしまいます。 で、手物の0.39mmのステンレス板を使ってシムを作り、0.39mm+シム3枚(バリを取って0.07~0.08mm)で組み立て、ベアリングのガタ=”0”,プレロード=”0”で行く事にしました。
(尚、0.003インチのシムにはプレスバリがあり、バリ取りの結果0.07~0.08mm程度になりました。)

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 で、ベアリングとハブ内面にたっぷりグリースを付けて、ブレーキローターを組付け、ハブの一番奥にはグリースシールを圧入し、スタブアクスルに挿入、ハブベアリングナットを6.4kg・mで締付けた後、更にナットの締付け方向(10~20度分位締付け)で割ピン穴を合わせ、割ピンを組付けて完了です。

ハブベアリングの左にある黒い部品がグリースシールです。
blogDSCN4120.jpg

で、ハブの組付け完了。 写真にはないが勿論ハブキャップも組付けました。
ブレーキローターの塗料はブレーキを組付ける時にアセトンでおとします。
blogDSCN4124.jpg



ジャガー Eタイプの時のフロント ホイール ハブの組み立て
 https://hisashi1946.blog.ss-blog.jp/2008-07-24
 https://hisashi1946.blog.ss-blog.jp/2008-08-11


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kinkin

お見事としか言葉がありません(^^ゞ
by kinkin (2021-01-15 15:54) 

kotobuki1946

kinkinさん
 この分野は若い頃にたっぷり勉強させて頂いていますので、戸惑うことなく上手くいきました。
by kotobuki1946 (2021-01-15 23:11) 

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