フロントハブの組立て その1 とロードホイールの選択 [ E-Type シャシー]
車を走らせる上で大事な部分ですのでフロントハブは2回シリーズで書こうと思います。
フロントハブの分解,組立
まずはフロントハブから古いベアリングを抜きます。
古いベアリングは、それほど傷んでいないし、小さ目のローラーが一杯付いた懐かしい ”ティムケン”のベアリングが付いていました。 40年位前に日本車も、大き目のローラーが少数(と言っても十数個)付いた型式から ”ティムケン”の様なベアリング゙に変わり、この時初めて ”ティムケン”と言う会社の技術を知りました。
余談はさておき、ベアリングを出来る限りスムースに抜きたく、SRL311用に作った冶具を近くの機械加工屋さんで削り直して、写真の様な冶具を作り、フロント ハブに付いているベアリングに写真の様に冶具をセットし、バイク屋のプレスで抜きました。
完全に分解したハブをサンドブラストで綺麗にし、オリーブクロメートの亜鉛メッキをかけ、 続いて、新しいベアリングをバイク屋のプレスで圧入しました。
ベアリングもグリースシールも所定の位置に平行に圧入する様に注意を払っての作業です。
バイク屋から持ち帰り、ベアリングにグリースをたっぷり入れて、 (グリースは幾ら入れても、ベアリングの中のグリースしか有効でないのは分かっているのですがね~~ 心配性と言う持病持ちなので)
この型のベアリングは外径側のレースと内径側のローラー部分は分離できますが、必ず購入した時のセットで使う様にします。
続いて、グリースシールを圧入し、 ブレーキローターを組み付けて、ハブとしては完成。
ローターのブレーキパット部分は本来塗装しませんが、今回は長く乗れないので、防錆の為に塗装。
ロードホイールの選択
私のロードホイールはセンターロック(中央の大きなナット一個でホイールを締め付ける)方式のワイヤーホイールですので、 特殊過ぎて選択の余地はほとんどありません。
しかし、ハブと密接に関係しているロードホイールの選択についての情報を提供しようと思います。
まずは下の写真を見てください。 写真はフロント ハブのベアリングとその配置です。
ハブには2個のベアリングが付いていて、このベアリングでタイヤを支えています。
インナーベアリングは大きく、車の内側に、アウター ベアリングは小さく、車の外側に付いています。
アルミホイール等ロードホイールを購入する時、
”15-6 1/2J” 等とホイールの大きさ、5穴等取り付けボルト数が表示されています。
これと同時に ”ホイール オフセット 50mm” という様な名称と数字(下図 C)があります。
このオフセットと言うのは、ホイールのハブへの取付け面からタイヤの幅方向の中心迄の寸法です。
オフセットの数値が大きくなれば、タイヤの中心が車の内側に、数値が小さくなれば、タイヤの中心が外側にいきます。
ホイールの各部名称についての詳細は右記。 http://www.rozest.com/about_wh/index.html
一般的には自動車会社で取り付けたホイールのオフセットより大きい数値の物はブレーキ等にぶつかって取り付けられません。
問題はオフセットの小さい数値の物で、もう一度先程の写真を見て見ると、
オフセットの小さい数値の物は、タイヤの中心が外側に移動 (写真の矢印の方向)し、元々構造上小さいベアリングに、より多くの荷重をかける事になります。
確かに車幅いっぱいにタイヤが付いていればカッコいいかも。
車幅いっぱいにタイヤが付いていれば、旋回時の走りが良いのかも?
しかし、そのカッコ良さはハブのアウター ベアリングに極端な荷重をかけ、いじめている事になります。
当然、アウター ベアリングの寿命は短くなり、ベアリングが壊れ、タイヤが外れる可能性が非常に高くなります。
自動車会社では、負荷計算と経験を基に、最適なオフセットを設定しています。 アルミホイール等を購入する際は安全の為に、オフセットを確認し、自動車会社のオフセットと同じものを使ってほしい。
どうしてもカッコよくしたいのであれば、自分の命と他人の命をかけているので、十分な整備体制を確保し、時々点検して欲しい。
又、ホイールスぺーサーなる物が販売されていますが、これもオフセットを小さくする為の部品で、単純に付けるだけでは、ベアリングの寿命を短くする他にハブボルトのねじ長さが足らなくなる事もありますので、より注意が必要です。
余計なお世話だったかな。
今回も庭の花は中止し、沖縄のマンゴーです。
昨年に続き、沖縄のKさんが送ってくれました。
もちろん家族全員で食べました。 みんな幸せそうな顔をして。 有難うございます。
フロントハブの分解,組立
まずはフロントハブから古いベアリングを抜きます。
古いベアリングは、それほど傷んでいないし、小さ目のローラーが一杯付いた懐かしい ”ティムケン”のベアリングが付いていました。 40年位前に日本車も、大き目のローラーが少数(と言っても十数個)付いた型式から ”ティムケン”の様なベアリング゙に変わり、この時初めて ”ティムケン”と言う会社の技術を知りました。
余談はさておき、ベアリングを出来る限りスムースに抜きたく、SRL311用に作った冶具を近くの機械加工屋さんで削り直して、写真の様な冶具を作り、フロント ハブに付いているベアリングに写真の様に冶具をセットし、バイク屋のプレスで抜きました。
完全に分解したハブをサンドブラストで綺麗にし、オリーブクロメートの亜鉛メッキをかけ、 続いて、新しいベアリングをバイク屋のプレスで圧入しました。
ベアリングもグリースシールも所定の位置に平行に圧入する様に注意を払っての作業です。
バイク屋から持ち帰り、ベアリングにグリースをたっぷり入れて、 (グリースは幾ら入れても、ベアリングの中のグリースしか有効でないのは分かっているのですがね~~ 心配性と言う持病持ちなので)
この型のベアリングは外径側のレースと内径側のローラー部分は分離できますが、必ず購入した時のセットで使う様にします。
続いて、グリースシールを圧入し、 ブレーキローターを組み付けて、ハブとしては完成。
ローターのブレーキパット部分は本来塗装しませんが、今回は長く乗れないので、防錆の為に塗装。
ロードホイールの選択
私のロードホイールはセンターロック(中央の大きなナット一個でホイールを締め付ける)方式のワイヤーホイールですので、 特殊過ぎて選択の余地はほとんどありません。
しかし、ハブと密接に関係しているロードホイールの選択についての情報を提供しようと思います。
まずは下の写真を見てください。 写真はフロント ハブのベアリングとその配置です。
ハブには2個のベアリングが付いていて、このベアリングでタイヤを支えています。
インナーベアリングは大きく、車の内側に、アウター ベアリングは小さく、車の外側に付いています。
アルミホイール等ロードホイールを購入する時、
”15-6 1/2J” 等とホイールの大きさ、5穴等取り付けボルト数が表示されています。
これと同時に ”ホイール オフセット 50mm” という様な名称と数字(下図 C)があります。
このオフセットと言うのは、ホイールのハブへの取付け面からタイヤの幅方向の中心迄の寸法です。
オフセットの数値が大きくなれば、タイヤの中心が車の内側に、数値が小さくなれば、タイヤの中心が外側にいきます。
ホイールの各部名称についての詳細は右記。 http://www.rozest.com/about_wh/index.html
一般的には自動車会社で取り付けたホイールのオフセットより大きい数値の物はブレーキ等にぶつかって取り付けられません。
問題はオフセットの小さい数値の物で、もう一度先程の写真を見て見ると、
オフセットの小さい数値の物は、タイヤの中心が外側に移動 (写真の矢印の方向)し、元々構造上小さいベアリングに、より多くの荷重をかける事になります。
確かに車幅いっぱいにタイヤが付いていればカッコいいかも。
車幅いっぱいにタイヤが付いていれば、旋回時の走りが良いのかも?
しかし、そのカッコ良さはハブのアウター ベアリングに極端な荷重をかけ、いじめている事になります。
当然、アウター ベアリングの寿命は短くなり、ベアリングが壊れ、タイヤが外れる可能性が非常に高くなります。
自動車会社では、負荷計算と経験を基に、最適なオフセットを設定しています。 アルミホイール等を購入する際は安全の為に、オフセットを確認し、自動車会社のオフセットと同じものを使ってほしい。
どうしてもカッコよくしたいのであれば、自分の命と他人の命をかけているので、十分な整備体制を確保し、時々点検して欲しい。
又、ホイールスぺーサーなる物が販売されていますが、これもオフセットを小さくする為の部品で、単純に付けるだけでは、ベアリングの寿命を短くする他にハブボルトのねじ長さが足らなくなる事もありますので、より注意が必要です。
余計なお世話だったかな。
今回も庭の花は中止し、沖縄のマンゴーです。
昨年に続き、沖縄のKさんが送ってくれました。
もちろん家族全員で食べました。 みんな幸せそうな顔をして。 有難うございます。
確かにホイールサイズとか、サスのセッティングとか、純正はよく考えられているなと思います。
Eタイプや同年代の356は、トレッドが狭くて、
フェンダーから入りすぎな印象がありますが、すべてに計算された意味があるのでしょうね。
by くっさん。 (2008-07-25 08:22)
私は面イチには興味がないので、オフセットはホイールメーカーで推奨しているサイズのものを選んでいます。
車のカタログにはオフセットが記載されていないのが多いので、困るんですよね~
by ガンバルおやじ (2008-07-25 12:37)
こんにちは。
本当はここまで考えてホイールを選らばなければならないのですね。
私はかなり見た目重視で決定しています・・・
by OILMAN (2008-07-25 19:50)
フェンダーにリップが付いていないで
奥にそっとあるタイヤ&ホイールが好きです
現代の車はホイールアーチが醜くすぎです!
特にリアアーチは全滅!!!
by pace (2008-07-26 00:29)
うむむ、カッコウ優先でKB10にはスペーサー入れてます(恥)。
インチアップしてますし、当時のバイアスからグリップも上がっているので、確かにハブベアリングとボルトへの負担を考えなければいけませんね。
図面ではなく、今回の写真を見ると、考えちゃいますねー。
近々タイヤ交換予定なので、その時にでも…
by Go-Ray (2008-07-27 12:28)
くっさん
Eタイプは入りすぎの様に思いますが、この頃はアメ車もみんなトレッドが狭かったので、これが設計のはやりだったのでしょうね。
ガンバルおやじさん
確かにホイールオフセットがカタログ等に書かれていません。 ホイールの選択は”プロがやる事” と自動車会社は勝手に思っているのでしょうかね? もう少し親切なカタログであってほしいですね。
OILMANさん
OILMANさんの様にプロの車は異常が出ればすぐに感じて、わかります。
一般のオーナーが知らずにやるのが怖い。
paceさん
paceさんはタイヤが奥の方にひっそりが好きでしたか、60年代初めの車はほとんどがそうでした。 Eタイプもその典型です。
Go-Rayさん
ホイールスぺーサー入れているの。 ハブボルトの長さ大丈夫?
旧車購入時、安心できる車かどうかのポイントの一つに”大幅なタイヤやホイールの改造がない事”が重要な一つです。 気をつけて。
by kotobuki1946 (2008-07-27 22:55)