傘型コイルスプリングの製作とその費用 [クラシックカーの部品を再製する]
ジャガー E タイプのブレーキブースターに付ける傘型のコイルスプリングをスプリング屋さんに作って頂きました。
取り付ける場所は下写真の黄緑矢印の位置で、ブースター自体がゴム製の為多少自由度を持たせながらも固定しておく為のスプリングと思います。
で、従来付いていた部品は写真の様に見事に疲労破断していました。
原因は2つ考えられ、1つは傘型スプリングの大径側の径が大きく、ブースターの取り付け部分にきちんとはまっていなかった為に、スプリングに大きな力がかかり、材料疲労を起こしたのだろう。
もう1つはスプリングが逆に組付けられていました。 多分最後に修理した方が、スプリングの径が大きい為ブースターに正しく組付けられず、逆に組んでしまった為より疲労が進み折損したのだろう。
で、イギリスやアメリカに問い合わせたが部品はありませんでした。
私の ブースターは3.8リットル本来の物で、多くの3.8リットル車はこのタイプから4.2リットル車用のブースターシステムに交換している様です
従って、ジャガーとしても3.8リットル用だけの特殊な部品を用意しなくなったのでしょう。
と言う事で、やむを得ずたった一個の傘型コイルスプリングを製作する事になりました。
製作費用は、1万円を超えるかも? もしかしたら5000円以下に? 等と考えながら、川崎発条製作所を訪問し製作を依頼致しました。 結果は、1個でも10個でも9000円+消費税となるとの事。
ただし、車についていた物は左巻きに対し製作は右巻き。(左巻きは製作に時間がかかるとの事)
で、作ったのは5個。
必要なのは1個ですが、スペアー部品やジャガー関係の知人にもと思い、かと言って10個は多すぎる。
1個当たり税込み約2000円相当。 (私にとっては1個 約1万円ですけどね。)
似たようなスプリングはDIYセンター等で数百円で販売されているのでは。
これからすると非常に高い。
しかし、製造原価を考えてみると、
この部品だけの為に数時間かけて機械をセッテングし、加工するのだそうです。
とすると、最近のサラリーマンの平均年収は約440万円だそうで、約1660円/時間となり、今回のスプリングは製造する為の人件費だけで約5000円になってしまう。
材料費は微々たるものとしても、設備の減価償却や工場の固定資産の購入・維持費等も必要。 更には経理等直接製造に携わらない人の賃金もある。
とすると、9000円は高いとは言えない。 むしろ安いのかも。 納得のいく価格です。
それにしても日本の賃金は高くなった。 多分、普通に働いて得る賃金としては世界一だろう。
何はともあれ、また一歩レストア完成に近ずいた。
まだ何か忘れている事があるかもしれないが、車検までには、
フロントのナンバープレートをどう付けるかとアウトサイドミラーを付けなければならない。
最近、ジャガーもブログも倦怠期の様になかなか向き合う気力がわきません。 延々と続ける事に疲れている様です。 読者の皆さんのブログへの訪問が滞っている事、申し訳ございません。
追記
ホーンボタン、最近の物を取り付けましたが、おりを見てオリジナルに取付け直します。
やっぱり、多少のキズ物でも、オリジナルの方が価値がありますよね!
高いか安いかの判断は難しいですね
要は人件費ですもんね
by pace (2011-08-04 11:45)
Dinoを買ったときに、変なミラーが付いていたので純正と違うと言うと、当時はミラーが必要なかったので、純正というモノがナイとの回答でした。
これも当時は必要なかったのでしょうね。
工場まで行って、打合せをして、作ってもらってと、バネ一つにも思い入れがありますね。
すべて利益でも1万円ですから、コスト計算よりも、kotobuki1946さんの情熱に協力しようと思われたのでしょう。
by くっさん。 (2011-08-04 17:25)