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エンジン レストア 22 (チエンの組み付け) [E-Typeのレストア エンジン]

 今週は、シリンダー ブロックにチエンを組み付けました。

 作業手順は複雑ですので、文末にしました。 興味のある方はお読みください。
 ともかく、下側のチエンも上側のチエンも共に、チエン組付けと同時に他の何箇所も組付けなければならない複雑な組付けでした。

 下側のチエンを仮付けした所です。 まだ手前側のチエンブラケットや上側のチエンテンショナーは付いていません。
写真の左がエンジンの下側です。 写真の右側のスプロケットが中間スプロケットです。

 上側のチエンブラケットを組付け、下部のチエンガイドも調整が終わった所です。
写真の左がエンジンの下側、右側がエンジンの上側になります。
 上側のチエンは”ぶらぶら”しない様にたたみ、縛ってあります。 アルミのチエンブラケットに付いている小さい円盤状の部品(小さい2個の穴付き)が上側チエンテンショナーの調整板です。

 今回は下部チエンのガイドの位置が全く合わず(チエンガイドはチエンにかるーく触る程度の位置がベスト)、又、穴が小さくボルトの入らない部分も有り、長穴の追加工を実施。 実は前回のオイルパイプのブラケットも穴位置が合わず、追加工をしました。 毎回、新品部品の追加工を余儀なくされています。

 ”イギリスの部品はすんなり付く事はない” と聞いていたがここ迄とは・・・・。  しかし、どこかの国の車と違い、43年前の車でも部品があるだけ有りがたい。 部品がなければレストアも出来ない。

今回使った工具の中で、”これは便利” と言うのが下写真のレンチにつなげられる小さなスパナです。
スパナもボックスも入らない、陰になったボルト・ナットの締付けに効果大です。

 尚、前回ペンデングになっていた、デスビのギアーとシャフト位置はベストに近い位置でした。
デスビのキャップを外し上から見た写真です。 左側の小さな緑色のマークがNo.6シリンダーの点火位置。 ちょうどこの緑のマークにローターが来ています。 このローターからデスビキャップのNo.6のハイテンションコードに電気が流れ、点火します。

 
 実際の点火時期の微調整は写真のデスビ下部の”く”の字に曲がったボルトとその左側のボルトの部分で行います。

 チエン組付けの作業手順
 最初に奥側のチエンブラケットに中間スプロケット(チエン用ギアー)のシャフトを組み付け、このブラケットを、シリンダーブロックに仮組みします。 この時ロワー側のチエンガイドも仮組します。

 次いで、中間スプロケットに上部チエンと下部チエンを取り付け、クランクシャフトのスプロケットに下部チエンを噛み合わせながら、中間スプロケットをはめ込んで行きます。 次いで、下部チエン用の油圧式チエンテンショなーを組み付けます。

 上部チエンテンショナー用のシャフトを手前側(フロント側)のチエンブラケットに組み付けておきます。 上部チエンテンショナー用スプロケットを上部チエンに噛み合わせながら、手前側のチエンブラケットを上部チエンガイドと共に組み付けて行きます。
最後に下部のチエンガイドを調整しました。

後はシリンダーヘッドが完成したら、最上部のカムシャフト用スプロケットを組付ける事になります。


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コメント 15

「新品部品の加工が必要」=時間がかかる=濃密な付き合いが出来る、ということでいかがでしょうか?
しかし英車、米車のパーツ状況は本当に羨ましいものがあります。二輪・四輪ともに。日本車もむしろアメリカの社外品を探した方が部品があるぐらいですものね。
by (2007-06-09 04:02) 

ガンバルおやじ

おはようございます。
詳しくはないのですが、国内の税制が変りストックパーツに資産価値があるとの理由で税金が加算されることになったので、メーカーはどんどん古いパーツを廃棄していると聞いたことがあります。
それにしてもずさん?に作られていてもちゃんと動くところがすごいですね。
by ガンバルおやじ (2007-06-09 05:39) 

日本車はほんと部品で苦労しますね~
加工しなくちゃ付かなくても無いよりは
はるかにましですよね~
チエンがメカっぽくて格好良いですね~
ベルトじゃこの迫力出ませんね!
by (2007-06-09 08:52) 

kotobuki1946

Go-Rayさん
濃密と言うよりは長時間の付き合いになると言った方がいいかも。
ともかく使える部品があるから よかった 良かった としておきます。

ガンバルおやじさん
ジャガーの部品はずさんに作られていると言うよりは考え方が日本と違う
と言った方がいいと思います。 簡単に付くかどうかは別にして、大半の
部品は丁寧に作られています。 今回のチエンガイドも取り付け面の
平滑さなどは追加工し、丁寧に仕上げられています。
 このエンジンの基本は構造は戦後まもなくから30年近く作られて
います。 その間の色々な変化を最大公約数的に丸めて、色々な車に
使える部品を今、供給しているように思います。 だからブラケットの様な
部品はどちら付かずになっているのだと思います。
 1948年に発売されてXK120もこのエンジンと基本は一緒で、部品も
充分に供給されている様です。  
by kotobuki1946 (2007-06-09 21:58) 

kotobuki1946

kazuさん
もう私のシルビアは部分切れを起こしています。 多分日本の各メーカー
同じだと思います。 
多少の追加工は時間がかかりはしますが、何時までも部品を供給してくれるのがいいと思います。
古い車ばかりいじっている私は、カムをベルトで駆動するエンジンの中身を見たことがないんです。
by kotobuki1946 (2007-06-09 22:10) 

CARRERA

ダブルローラーチェーンが堅牢なイギリス車っぽいですね!
それにしても複雑な組み付け工程です。^^
by CARRERA (2007-06-10 22:37) 

kotobuki1946

CARRERAさん
ほんと複雑で、何度もやり直しました。 この時代で、ダブル オーバー ヘッド カムシャフトだからジャガーのエンジニアも苦労して作ったんだと思います。
by kotobuki1946 (2007-06-10 22:54) 

くっさん。

着々と進んでますね。
穴の位置が合わないのはよくありますが、穴が小さいとは…。
ネジ穴は場所の目安ぐらいにしか思ってないのでしょうか(^^)?
紹介の工具は、見たことはあったのですが、
どういう時に使うのか分からなかったので、また勉強になりました。
by くっさん。 (2007-06-11 08:45) 

kotobuki1946

くっさん
工具参考になって良かった。 マーズーッと修正しながら組み立てていくのだと思います。
by kotobuki1946 (2007-06-11 10:39) 

BPノスタルジックカーショー

こんばんは。

頑張ってますね!!

この辺を極めれば、もうプロのレベルですね。
今度お願いしようかな!!
by BPノスタルジックカーショー (2007-06-11 11:13) 

kotobuki1946

BPノスタルジックカーショーさん
冗談でしょう。 まだまだですし、本当は何が正解か分からずやって
ます。 BPノスタルジックカーショーさんにはここ間違ってるよとか教えて
欲しいです。
by kotobuki1946 (2007-06-11 22:02) 

pace

ここを面倒とみるか楽しいと見るかの境目ですね(笑)
マゾエンスーの道に踏み込んでしまったのですね!
・・・・・・・って、SRの時から既にそうでしたね(笑)
by pace (2007-06-13 15:16) 

kotobuki1946

paceさん
古い車ですので、修正に次ぐ修正でやっと出来上がるんだと思います。
ゆったり構えて少しずつ前に進めば良しとします。
by kotobuki1946 (2007-06-13 19:16) 

鰯母

ひょうたんの記事、拝見させていただきました!
ジャガーのレストアもかなり気になります。
素敵な趣味ですね。うちも相方が旧車好きでエランに乗ってます。
定年後にこんな過ごし方ができたら理想的です。
がんばってくださいね!
by 鰯母 (2007-06-15 09:37) 

kotobuki1946

鰯母さん
有難うございます。
よろしかったら時々コメント願います。 定年後の趣味はアルバイトでまかなっているんですよ。 だからけっこう頑張って働いてもいます。
by kotobuki1946 (2007-06-16 17:35) 

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