５０年前の真冬のスイカ と 今冬の沖縄のスイカ [日記]
沖縄から、スイカが届きましたので、スイカの昔話を１つ。
ちょうど１００年前に 農家に一人の男の子が生まれました。
男の子は末っ子で、気ままで、頑固者の見本の様な人だったそうです。
農家の末っ子ですから、２７歳（２６歳？）で結婚し、分家に出ても、極僅かな農地しか貰えず、大きな農家に手伝いに行く等、大変な苦労をした様です。 生来頑張りやで、負けず嫌いなこの方は頑張って、頑張って、頑張って、５０歳になった時には村でも見劣りしない立派な農家になったそうです。
この方は４９歳の夏に体調を崩し、いくつもの病院で診察を受けましたが原因が分らず、晩秋になり ”胃がん”と判明しました。 しかしもう手遅れで医者は余命１ヶ月との事。 その場で入院したそうです。
生来頑張りやのこの方は医者の見立てを過ぎても病院のベットにおり、なんと ”スイカが食べたい”と言い出したのです。 それがちょうど５０年前の１月の事です。
５０年前の真冬にスイカはそう簡単に手に入る訳もなく、この方の妻は何とか叶えたいと、東京の市場まで買に行ったそうです。 この方の妻は独身時代東京のど真ん中で働いていたそうですが、それとて戦前の事、大空襲等で焼け野原となった東京は、戦前の記憶など役に立ちません。 苦労して市場にたどり着き、重いスイカを持って病院まで帰宅（つきっきりの看病だったそうで）。
この方やその妻は病室で、子供たちは自宅で、スイカを分け合って食べました。
子供たちの感想は ”真冬のスイカは甘くない 美味しくない” でした。
この方はその１ヵ月後に亡くなりました。 ５０年前の２月の事です。 そうしてもうじき２月が来ます。
この方が亡くなりちょうど５０年後に、私の沖縄の友人からスイカ２個が届きました。
勿論、その１つは、５０年前に亡くなられた方の妻とその家族に送りました。
今冬の沖縄のスイカは甘く、美味しかったですよ。
この方が生まれて １００年。 亡くなって５０年。 この間に時代は加速度的に変わって、真冬でも夏場と変わらず、こんなに美味しい沖縄のスイカが食べられる様になりました。
（カメラを落とし、レンズが外れるなどの大破、やっと作動しています。 ピンボケですいません。）
などと、１００年前に生まれた農家の末っ子の末っ子が、今ブログを書いています。
この方の長男は２１歳で、一家の大黒柱に、弟３人を抱え、やはり相当苦労をしただろうと感謝しつつ。
又、沖縄のＫさんには、ちょうど半世紀にぶりに ”大事な思い出 と 美味しいスイカ” を食べさせて頂いて ”ありがとう” の言葉を添えて。
素敵なご両親ですね
お父様に合掌
私の父は同様な環境で次郎柿が食べたいと申しておりました
もう柿などは受けつけもしなかったのにね
by pace (2008-01-20 02:47)
素敵なお話、ありがとうございました。
このお話、きっとお父様も聞いてらっしゃると思います(^^)
冬においしいスイカを食べられる
ここ50年の時代の変化はすごいものがありますね。
by いとお (2008-01-20 03:02)
昔はどこの家でもスイカは作っていた（というよりなってた）のでワタシはあまりスイカに執着しません（笑）。カメラ大丈夫ですか。
by ccq (2008-01-20 09:35)
こんにちは。
良いお話ですね。
代々受け継いで言って欲しいことだと思います。
by BPノスタルジックカーショー (2008-01-20 14:13)
いいお話しですね。
by ガンバルおやじ (2008-01-20 14:38)
こんにちは。
真冬でもスイカがおいしく食べれるのですね。
50年の歳月で作物の品種改良や作り方も急速に発展しているのだと思いました。
by OILMAN (2008-01-20 16:58)
皆さんコメントを有難うございます。
スイカをきっかけに、私の内面を披露させていただきました。
申し訳ございませんが、今回は個別のコメントは控えさせていただきます。 当時１２歳で父を亡くした私は自分と重ね合わせて父の行動を観察
する事がなかったので、おやじなら”こうしただろう”がありません。
それが気になって、余計時々思い浮かべているのだと思います。
by kotobuki1946 (2008-01-20 23:05)
素敵なお話ですね。亡くなられたお父様に合掌です。
僕も、商品撮影中に、うっかり三脚ごとデジカメを倒し、その場で大破させてしまいました。今は、後継種を愛用しています。
by ベアトラック (2008-01-21 11:08)
僕が会った事のない「おじいちゃん」が、
遠い空でスイカを美味しく食べている事を祈ります。
孫より
おばあちゃんも、叔父さん叔母さんも、スイカ喜んでると思いますよ。
by (2008-01-21 23:37)