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ジャガー Eタイプ, フロント スプリングとショックアブの取り付け [ E-Type シャシー]

 クラッチ部品に続き、フロントサスペンションのスプリングとショックアブソーバーの取り付けです。


 ジャガー Eタイプのフロント スプリングはトーションバーと言う鋼鉄製の単なる鉄棒です。
今回のポイントは正しい位置にトーションバーをセットし、車高を標準状態にする事と左右のスプリングを間違えない事です。 幸い、右用はRH,左用はLHと刻印されていました。

 トーションバーは下写真の様にエンジンルームの下側に左右各1本付いており、前側(写真左)はサスペンションのロアーリンクに固定し、後ろ側はボディに付けたアンカーブラケットに取付けます。
トーションバーは、実際の車では中央にエンジン等が載る為、これ等の影になりほとんど見えません。
 
 車のタイヤが下に下がるとトーションバーは緑矢印の方向にねじられ、タイヤが上に上がると緑矢印と反対にねじられます。 このねじられた時に元に戻ろうとする反発力でスプリングの働きをします。

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 部品の準備として、トーションバーはサンドブラストで錆を落とし、塗装。 更に前側のセレーションの先端には面取りを追加し、フロントのロアーリンクに入り易くしました。 又、アンカーブラケットは塗装をした上で、セレーション部分だけ塗装を落とし、トションバーのスプラインにスムースにはまる様にしました。
(トーションバーはねじられる事で長さが縮んだり、戻ったりしますが、この変化をアンカーブラケットのセレーション内でスライドする事で吸収します。)

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 又、下写真の様にショックアブ取り付けの位置にジャガー指定の長さのバー(赤い長いバー)を取り付けて、トーションバーに荷重がかからない位置で取り付けを行います。
(実はこのバーの長さを短くしトーションバーをセットすると車高は低く、長くすると車高は高くなります。)

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 そして、やっと本番のトーションバーの取り付けです。

 取り付けはトーションバーの前側のセレーションにグリースを付けロアーリンクに圧入します。 圧入と言ってもトーションバーの後端に木材を当てハンマーでたたき込みます。
 ロアーリンクに約半分入った所で、後端にアンカーブラケットをセットし、スムースにボディに付けばOKです。 付かなければ、ロアーリンクから抜いてセレーションのはめる位置を変え、たたき込み、再度アンカーブラケットの取り付けを確認します。
(前側のセレーションは24山、後ろ側は25山と1山異なっている為、前側のセレーションのはめる位置によって後ろ側のアンカーブラケットのはまる位置が少しずつずれる事で微調整出来ます。)

 結局、左側は3回はめ直し、取り付け位置が決まり、前側のセレーションを完全にはめ、ロックボルトを締めて完成です。 後ろ側のセレーションにもグリースを塗り、アンカーブラケットを取り付けて完成。
 続いて、右側も同様に取り付け、フロント サスペンションのスプリングは完成です。
 
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 ショックアブソーバーの組み付け

 以前情報しました様にショックアブはコニーのクラシックを購入しました。
このショックアブソーバーは減衰力(スプリングの揺れを抑える力)を調整できるタイプですが、私はEタイプに乗った事がないし、又、どの程度の減衰力かも分からないので、購入したまま付けてしまいます。

 という事で、先に書きましたトーションバーをセットする為の赤いバーを外し、ロアーボールジョイントの下にジャッキをかけ、車をジャッキアップし赤いバーの所にショックアブを取り付けました。
 尚、ショックアブの取り付け部はラバーブッシュですので、車両が完成した後にタイヤを付けて、自然の停止状態でネジを締めつけます。

 仮完成状態はこんなです。

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今日は久しぶりの家庭菜園です。
BPノスタルジックカーショーさんが 「7月は梅雨の記事が少なかった」と書かれていましたが、又、各地で集中豪雨による被害が出ていますが、神奈川中部の我が家の畑はからからでした。

手前のネギの所は乾燥で、草も生えません。
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何と里芋の葉にも朝露が溜らなくなってしまいました。
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なすは元気に育っていますが、最近水不足で育ちが遅くなっています。
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フロントハブの組立て その1 とロードホイールの選択 [ E-Type シャシー]

  車を走らせる上で大事な部分ですのでフロントハブは2回シリーズで書こうと思います。

 フロントハブの分解,組立

 まずはフロントハブから古いベアリングを抜きます。
 古いベアリングは、それほど傷んでいないし、小さ目のローラーが一杯付いた懐かしい ”ティムケン”のベアリングが付いていました。 40年位前に日本車も、大き目のローラーが少数(と言っても十数個)付いた型式から ”ティムケン”の様なベアリング゙に変わり、この時初めて ”ティムケン”と言う会社の技術を知りました。

 余談はさておき、ベアリングを出来る限りスムースに抜きたく、SRL311用に作った冶具を近くの機械加工屋さんで削り直して、写真の様な冶具を作り、フロント ハブに付いているベアリングに写真の様に冶具をセットし、バイク屋のプレスで抜きました。
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 完全に分解したハブをサンドブラストで綺麗にし、オリーブクロメートの亜鉛メッキをかけ、 続いて、新しいベアリングをバイク屋のプレスで圧入しました。
ベアリングもグリースシールも所定の位置に平行に圧入する様に注意を払っての作業です。
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 バイク屋から持ち帰り、ベアリングにグリースをたっぷり入れて、 (グリースは幾ら入れても、ベアリングの中のグリースしか有効でないのは分かっているのですがね~~ 心配性と言う持病持ちなので)
 この型のベアリングは外径側のレースと内径側のローラー部分は分離できますが、必ず購入した時のセットで使う様にします。
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 続いて、グリースシールを圧入し、 ブレーキローターを組み付けて、ハブとしては完成。
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ローターのブレーキパット部分は本来塗装しませんが、今回は長く乗れないので、防錆の為に塗装。
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 ロードホイールの選択

 私のロードホイールはセンターロック(中央の大きなナット一個でホイールを締め付ける)方式のワイヤーホイールですので、 特殊過ぎて選択の余地はほとんどありません。
しかし、ハブと密接に関係しているロードホイールの選択についての情報を提供しようと思います。

 まずは下の写真を見てください。  写真はフロント ハブのベアリングとその配置です。
 ハブには2個のベアリングが付いていて、このベアリングでタイヤを支えています。
インナーベアリングは大きく、車の内側に、アウター ベアリングは小さく、車の外側に付いています。
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 アルミホイール等ロードホイールを購入する時、
 ”15-6 1/2J” 等とホイールの大きさ、5穴等取り付けボルト数が表示されています。
これと同時に ”ホイール オフセット 50mm” という様な名称と数字(下図 C)があります。
このオフセットと言うのは、ホイールのハブへの取付け面からタイヤの幅方向の中心迄の寸法です。
オフセットの数値が大きくなれば、タイヤの中心が車の内側に、数値が小さくなれば、タイヤの中心が外側にいきます。

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ホイールの各部名称についての詳細は右記。 http://www.rozest.com/about_wh/index.html

 一般的には自動車会社で取り付けたホイールのオフセットより大きい数値の物はブレーキ等にぶつかって取り付けられません。

 問題はオフセットの小さい数値の物で、もう一度先程の写真を見て見ると、
 オフセットの小さい数値の物は、タイヤの中心が外側に移動 (写真の矢印の方向)し、元々構造上小さいベアリングに、より多くの荷重をかける事になります。

 確かに車幅いっぱいにタイヤが付いていればカッコいいかも。
 車幅いっぱいにタイヤが付いていれば、旋回時の走りが良いのかも?

 しかし、そのカッコ良さはハブのアウター ベアリングに極端な荷重をかけ、いじめている事になります。
当然、アウター ベアリングの寿命は短くなり、ベアリングが壊れ、タイヤが外れる可能性が非常に高くなります。
 自動車会社では、負荷計算と経験を基に、最適なオフセットを設定しています。 アルミホイール等を購入する際は安全の為に、オフセットを確認し、自動車会社のオフセットと同じものを使ってほしい。

 どうしてもカッコよくしたいのであれば、自分の命と他人の命をかけているので、十分な整備体制を確保し、時々点検して欲しい。
 又、ホイールスぺーサーなる物が販売されていますが、これもオフセットを小さくする為の部品で、単純に付けるだけでは、ベアリングの寿命を短くする他にハブボルトのねじ長さが足らなくなる事もありますので、より注意が必要です。

余計なお世話だったかな。



今回も庭の花は中止し、沖縄のマンゴーです。
昨年に続き、沖縄のKさんが送ってくれました。
もちろん家族全員で食べました。 みんな幸せそうな顔をして。 有難うございます。
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ジャガー Eタイプ, ステアリング ギアーの取付け [ E-Type シャシー]

 野茂さん引退。
 私がアメリカに長期出張した年に大リーグに移籍、大活躍。
その翌年私は現地に赴任。 野茂さんは2年目以降も大活躍。 多分、数えきれない程の人種差別的な事もあったろうと思います。  ドジャースがシンシナティの球場に来た時は家族で見に行きました。

 野茂さん御苦労さま。 そして、ありがとうございます。 現地日本人の誇りでした。



 今回は久しぶりのシャシーまわり、ステアリング ギアーの取付けです。

 まず、ステアリング コラムのハンドル位置を直進状態にします。
 とは言っても、何所が直進状態なのか印も何もありません。 とりあえず、ステアリング コラムのアウターチューブ(ボディに固定)の上側中心にウインカーのキャンセル ピンの位置を目視で合わせ、仮の直進状態にセットします。
(現在はステアリング ホイールの中心とウインカーの中心が10度位ずれています。 ステアリング ホイール自体は、直進状態を見てコラムの最上部のセレーションを嵌め直せばいくらでも修正できます。)

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下記がステアリング コラムのメンテの記事です。
http://hisashi1946.blog.so-net.ne.jp/2007-08-13

 ウインカーの位置を直進にした状態で、ロアーコラム シャフトの上側をユニバーサルジョイントに取り付けます。
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 続いて、ステアリング ギアーをクロス フレームに取り付ける為のラバーマウントを取付けます。
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 続いて、ステアリング ギアーの中心位置を探し、マーキングをします。
 ステアリングギアーの中心位置はギアーを右に一杯迄回しマーキングし、次に左に一杯迄回しマーキングすると共に回転数も数え、回転数の半分,左右のマーキングの中心がステアリング ギアーの中心(車の直進位置)です。

ステアリング ギアーの中心マーク  写真は組み立て完了後ですが。
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 更に続いて、ステアリング ギアーの取付けです。
ロワー コラム シャフトのユニバーサルジョイントにステアリング ギアーのピニオンを嵌めながら、左右のラバーマウントに取り付けます。
 ここでのポイントはステアリング ホイールを取付けるアッパーコラムシャフトが直進状態で、ステアリング ギアーも直進状態にする事です。

 で、問題発生。
 ピニオンを締め付けるユニバーサルジョイントのボルトが見つかりません。 メートルネジならなんとでもなりますが、インチネジですので、次回発注と言う事で、アーァ また「中途半端」とがっくりです。

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 がっかりしながらも左右のラバーマウントにギアーを締め付け、次のナックルアームへの取付けです。
ここで、あれれ? サイドロッドを回す為のスリットがサイドロットにありません。
 写真はサスペンションリンクのホイールアライメントを調整する為のシャフトですが、この様にシャフトにスリットが入っていると、そこにスパナをかけシャフトを自由に回すことが出来ます。
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 ステアリング ギアーのサイドロッドは左右を同じ長さに調整してハンドルの中心でまっすぐに走る様にすると共に、安定して直進出来る様に ”トーイン” と言う調整をします。
 プライヤー等でサイドロッドを回すことも出来ますが、色々考えた結果、ダブルナットで固定し回すことで、ナットを追加発注する事としました。 と言う事で、今回はここ迄で終了です。

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今回完了状態です。
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レストア前との比較です。
ちょっと自慢させて下さいね。 同じ車とは全く思えません。 良くなったでしょ!!!

ウゥ!? 陰口聞こえましたよ。 ”4年もかけりゃ 誰でも出来るわ。 あほかいな。”

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ステアリング ギアーのメンテナンス記事は下記
http://hisashi1946.blog.so-net.ne.jp/2007-09-03




前回に続き沖縄の友人からの夏の花です。
沖縄、花東南植物園の蓮です。 
花東南植物楽園蓮0807040093ツボミ.JPG
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フロント サスペンション リンクの組付け [ E-Type シャシー]

 ジャガー E タイプ ってこんな車です。
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 1964年型のボンネットとエアークリーナーを外した所で、この時からで早3年半が経ちました。
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 なんで、突然題記と関係ない内容が ???  単に受け狙いの気まぐれです。


 リンク関係の部品組立てをし、エンジンルームのクロスメンバーのボルトも正規に入れ替えましたので、先の週末はサスペンション リンクの組付けを致しました。

 サスペンション リンクの主な構成部品です。

  ロアーリンク関係                     アッパーリンク関係
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 組付けに当たっては、写真の様にブラケットにブッシュを圧入した事で、全てのゴムブッシュがカラーより長くなっています。 従って、いったんクロスフレームのネジを緩め、クロスフレームを前にずらし、全てのリンクを組付けた後再度ネジを締め、クロスフレームを正規位置に戻しました。

blogP4131030のコピー.jpgblogP4131034.jpg

 そして、右のロアーリンクを取付け。          続いて、右のアッパーリンクを取付け。
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 左側の上下のリンクを組付けました。 クロスフレームとリンクのブラケットのネジを締付け、リンクの組付けは完了。 (写真のナックルはアッパーとロアーリンクがぶらぶらしない様に仮付けです。)

 続いて、写真の様にスタビライザーの組付け。 ここでのポイントは左右方向の位置をきちんと中心に合わせる事でした。

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スタビライザーのリンクとブラケット (写真は ブラケットのネジ締め付け途中です。)
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 尚、リンクシャフトのナットは、走行中のリンクの上下動時はゴムブッシュのゴムがねじれますので、ゴムのねじれを少しでも少なくする為、車両が完成し、タイヤに車両の重量をかけた時に最終の締め付けをし、割りピンで固定します。 その為、未完である事を示す荷札を下写真の様に付けておきました。

 又、メッキは、ロアーリンクは泥水をかぶる可能性が高く、ナットやワッシャーは防錆力のあるグリーンの亜鉛メッキに、アッパーリンクは見てくれを重視し、3価のクロメート亜鉛メッキにしました。

 ロアーリンクブッシュ                     アッパーリンクブッシュ
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フロント サスペンション ロワーボールジョイントの組立て [ E-Type シャシー]

前回のアッパーボールジョイントに引き続き、ロワーボールジョイントの組立です

 車のどこの部品かは前号(4月12日)で確認してください。

 ロアーボウルジョイントの主な構成部品です。 写真の他にボルトやロックワッシャー,ダストカバーなどが付きます。
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 従来付いていた部品には、下写真の様に、なんとなんとボールの隙間調整用シムが右側ジョイントに5枚、左側ジョイントに7枚も入っていました。
ジャガーのマニュアルによると0.28mmと0.11mm(実際にはインチの数値)が用意されています。 確かに厚みを測定してもこの通りです。 ”こんなにいっぱいシムを使う設計なんてあるかなァ~” と思いながらマニュアルを読み、新たに購入したボールジョイントキットを組んでみても多くのシムを入れれば問題なく組めることがわかり、よしとしました。
 ただし、私としてはシム7枚は誠に気分悪し。 と言う事で、1・5mmと1.0mmのステンレス板を購入し、またまた自作です。

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で、部品が出来たところで、組立です。
ロアーボールジョイントは部品点数が少なく、構造もシンプルです。 その分組み立てが難しかった。

まず、スピゴットをキャリアー(日本車ではナックルスピンドルと言う事が多い。 ジャガーにはスピンドルが付いていないので、単にナックルと言いますかね?) にボールシートを圧入します。 圧入の方法はリンクブッシュ同様、ねじで締めて行きます。 

 続いて、初めの構成部品の写真の黒いボールを入れ、赤いロアー側のボールシートを入れ、シムを少なめに入れて、4個の穴のあるロアーキャップをボルトで締め、ボールの動きを手で確認します。
動かなければ、シムを追加、動けばシムを抜き、ボールが動きだすシムの量を見つけます。
 (赤いロアー側のボールシートが樹脂で、ボールにきつく嵌合するので、ジョイント内部に隙があってもボールが軽く動来ません。 従って、アッパーボールジョイントの様に測定ができません。)
 その動き始めのシムの量に0.1mmのシムを追加し、動きがスムースであれば完成です。 もちろん、シム追加時たっぷりグリースを入れました。

(写真がなくてすいません。 夢中で組み立てて、アッ 写真撮らずに組んじゃった。 と言う事です。)

っで、 出来上がった部品がこれです。

pP4121023.JPGpP4121025.JPG
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 所で、今回のオーバーホールで ”グリースをたっぷり入れました” と書きましたが、これは私の心配症を治療する為だけで、他には何の意味もありません。 更に言うとグリースの無駄遣い。

 グリースは 「攪拌(かくはん)流動性」と言う性質で潤滑しています。 ようするに、ぐちゃぐちゃこねるとオイルの様に軟らかくなり、これで潤滑します。 逆に言うとぐちゃぐちゃこねない所は全く流動性がなく動きません。
 以前からブログを読まれておられる方は覚えておられると思いますが、ワイパーモーター内のグリースは干からびていました(下写真)。 これは攪拌されていない部分だからで、潤滑したい所には全く移動していません。

この性質から、日常のグリースアップは、作動部分そのものに新しいグリースがいきわたる様に気を使う必要があります。

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フロント サスペンションのアッパー ボールジョイント組立 [ E-Type シャシー]

 先日に引き続き、フロント サスペンションの部品を組立てています。 今回は、ボールジョイントです。

 フロント サスペンションのボールジョイントは、 下写真の様にタイヤを支える最後のジョイントであり、走行中にここが壊れるとタイヤは車から離れ、転がっていき、車はどこかに突っ込んで大事故となります。 と言う事で、安全上非常に重要な部品です。
 片側にアッパー ボールジョイントとロアー ボールジョイントの2つがあり、当然のことながら左右対称に合計4個付いています。

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まずは、フロント サスペンションのアッパーボールジョイントの組立です

アッパーボールジョイントの構成部品は写真の様で、写真の上側(新聞紙に乗った部品)は従来から付いていた部品で、下側が新しいボールジョイントキットです。
(フェアレディ等はボージョイントの組立完了品が売られていますが、ジャガーはボールジョイントのボディに相当する部分がリンク(写真右の白い大きな部品)ですので、キットを購入し、組み立てます。)

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 組立前の部品点検の結果、新たに用意したボールジョイントのトップカバー(下写真の3個の丸い部品)にはグリースニップル(グリースを補充する部分)の穴があります。 しかも、ボールジョイントのボディに相当するリンクにもグリースニップル穴があり、トップカバーの穴は不要です。
 従って、トップカバーは、新たにステンレス材を使い手仕上げで制作しました。 トップカバーはシムの役割もあり、写真の様に板厚(赤い数字)を確認し、又、径はグリース漏れ防止の為、真円で、従来品と同等か大きめに作ります。

従来品は左用(旧LH)が穴なし、右用(旧RH)が穴ありとまちまちです。 新は穴ありで、用意したステンの板厚は2.04mmでちょうど良い厚みです。
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 ステンレス板をスプレーペイントで黒く塗り、ケガキを入れ、大雑把に切り取り、後は寸法を測りながら、コツコツ丸くしていき、最後はリンクの穴に入れ、最終確認をしました。 この繰り返しで左右2個制作。
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 ボールジョイントの組み立ては、まず、スプリングを入れずに組立て、ボールの部分の隙間を測定し、0.1mmになる様にシムで調整します。  測定は写真の様にボールの先端にダイヤルゲージをセットし、上下に動かし、ガタの値を測ります。
結果、左は0.07mm,左は0.11mmで完成です。 (シムが0.1mm単位ですので、ジャスト0.1mmにはなりません。)

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 シムの量が決まったところで、再度分解し、スプリングを入れ、グリースをたっぷり入れ、組み立てて完成です。 リンクの左先端にグリースニップルも付いています。

 見てのとおり、メッキはまるでユニクロ亜鉛メッキになってしまいました。
アァ~~~ と落胆の声聞 聞こえまか? っと言う事で、クリアー塗装はしっかり塗りました。 メッキの上に塗装なんて馬鹿な事をする人は少ないから、たぶん問題ないでしょう。
 将来錆びるようだったら、見てくれにこだわらずカチオン塗装をぬろうかな~~~。 その時は悔しいから、いま最新のエッジタイプの2度塗りカチオンを。

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ブログの記事が長くなりますので、次回ロアーボールジョイントは書きます。
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フロント サスペンションリンク ブッシュの組み立て [ E-Type シャシー]

 先日、エンジンとトランス ミッションを組立てましたが、 フロント サスペンションをエンジン ルームのフレームに取付け、エンジンルームのフレームをしっかりした物にしてからでないとエンジンは取り付けられません。

写真では分かり難いと思いますが、サスペンション リンクのブッシュの取り付けは、前後方向のフレームと左右方向のフレームの締めを兼ねています。

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 そこで、フロント サスペンションの組立を始めました。

 まず、題記のリンクブッシュの組立です。
写真の様に、ブッシュのブラケットにゴム製のブッシュを圧入するだけですか、、右用と左用のアッパーリンク各2個,ロアーリンク各2個で、合計8個も圧入します。

 ブッシュの圧入は、ブッシュに台所洗剤を付け滑りやすくした上で、長いボルトを使いナットで締め付け圧入します。

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 圧入が完成いた上で、以前書きましたように、メッキした物にクリアー塗装をします。
 (メッキの色を重視した為、亜鉛メッキのクロメート処理が弱く、その補助としてクリアー塗装を塗ります。)

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サンドブラストに明け暮れた週末 (フロント サスペンション部品・他) [ E-Type シャシー]

 ウオッシャータンク ブラケットのビスとカラーのメンテナンス忘れの為、錆を取り、再メッキをしなければならなくなりました。 と言う事でここ2週間の週末は、フロント サスペンション部品とその他もろもろ錆を取り、再メッキに出す事にしました。

 フロント サスペンション部品は、大きさが比較的大きく、数量もあるので、まず、サンドブラストのノズルのメンテナンスをし、作業効率を上げる事にしました。

 サンドブラスト本体は下左の写真様な物で、赤いキャビネットの中で、下右写真のガンを使い、エアーで部品に砂を吹付け、錆や汚れを落すものです。 砂は砥石等にも使われる酸化アルミニュームが主成分で、粒の大きさは0.25mm~0.4mmです。
 

 エアーで砂を吹付けるので、砂が通るガンの先端のノズルは磨耗します。
下写真の左が新品ノズルで、右が今迄使っていたノズル。 右の大きい径のノズルの穴が磨耗で大きくなっています。 良く使ったものだと我ながら関心。 で、作業性は新品ノズルに交換した結果、3倍位早くなった感じです。 下の写真の部品を全てサンドブラストして、ノズルの径は2.5mm程磨耗し、大きくなっていました。

 サンドブラストの効果はというと、 左がサンドブラストし防錆油を塗った状態で、右側の部品がシンナーで綺麗に洗っただけの状態です。 左の様にサンドブラストではネジの谷底など非常に狭い隙間も綺麗に錆や汚れを落す事が出来ます。

実際に作業した物は
アクセルリンケージのブラケット,フユーエルパイプのコネクター,バルクヘッドのカバー,フロントサスペンションのシム等など

フロントサスペンションのワッシャー・ナット,フロントサスペンションのリンク取り付けブラケット

そして、リンク本体の右車輪用と左車輪用 (リンクの大きさは長いもので40cm位です)

 今回、サンドブラストし再メッキする事になったきっかけが、ウオッシャー タンク用のビスですので、当然ネジ類も50個位錆取りをしました。 ネジ類の様な小物は ”ガラメッキ” と言う方法でメッキします。

 ”ガラメッキ” と言うのは、小物部品をメッキする際に一個一個ハンガーにつるしていては時間が幾らあっても足らないので、部品をドラム缶状の入れ物に入れ、ガラガラ廻しながらメッキするものです。 この方法は形状の複雑な部品で部品同士が絡み合う様な物には適しません。

寒い中、鼻水垂らしながら、砂埃にまみれよう働きました。


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イギリスより Eタイプ用 コニーのショックアブソーバー 到着 [ E-Type シャシー]

 シルビア(US12)のオイル漏れ修理をしている間に E タイプ用部品が次々と到着しています。
しかし、シルビアのエンジンにかまけ、E タイプの方は部品がたまる一方。 その内 ”あれ、この部品なんで買ったんだっけ ?” となりそうです。

 今日はGo-Rayさんが気にしていた、コニーのショックアブソーバーが到着したニュースです。
コニーのショックアブソーバーは通常朱色ですが、E タイプ用は ”コニー クラシック”と言って、黒です。

 で、費用はと言うと、
   フロント用(写真の上の部品)は、一本 68ポンド 2本必要ですので136ポンドです。
   リアー用(写真の下の部品)は、一本 75ポンド 4本必要ですので300ポンドです。
   トータル436ポンド、日本円にすると約10万円です。
   (ポンドと円の為替はここの所大きく変動しており、今日は1ポンド 223円ですが、輸入通関時の
    レートは238円でした。)

 私は、日本でジャガーの部品を購入した事が無いので、この値段が安いか高いかは分りません。 多分、かなり安いだろうとは思っています。

 ちなみに輸送費は、下のインボイスの様に、他の部品も含め購入金額538.42ポンドで 125ポンドです。 荷物の容積の大半はショックアブソーバーでしたので、ショックアブソーバーの総費用は約13万円ですかね。

 先日のフロントサスペンション分解時に見つけた”ナックルスピンドルの磨耗”の交換用部品も今回購入しました。 一本 25ポンドは自動車用部品としては安いかなと思います。

 今日は連休のさなかですが、アルバイト先の所要で、短時間出社の為、この辺で。


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フロント サスペンションの 分解・取外し [ E-Type シャシー]

 ここ2週間フロント サスペンションの分解をしています。 体が小さく、非力で、しかも年齢が、っと言うことで、分解にてこずりました。
(”色男金と力は無かりけり”と言うが、中には”不細工男金と力は無かりけり”と言う事もあります。)

 Eタイプのフロントサスペンションは極標準的なダブル ウシッシュボーン タイプで、スプリングはトーションバータイプです。

赤いショックアブソーバーの後ろ側に2本のリンク(中央上から斜め左下に向っている白いアッパーリンクと中央から斜め左下に向っている錆びたロワーリンク)で構成されています。

スプリングは中央の横方向に長い錆びた棒(左右各々一本)です。 最近はコイルスプリングですが、1950年頃はかなり使われていました。 スプリングのリンクへの取付けはセレーションでロアーリンクに差込みです。 (縦の黄色いジャッキ(馬)の直ぐ横の丸い物がトーションバーの先端のセレーション部)
 多分、Go-Rayさんのダットサントラックもこのタイプです。 私のEタイプは小型トラック並み? それともダットサントラックはスポーツカー並み? Go-rayさんのダットサン トラック http://blog.so-net.ne.jp/My_Favorite_Go_Ray/2007-05-08

っで、フレームから1つ1つ分解していきます。(サスペンションのネジは大きめですので、外してから分解では固定が大変な為、フレーム上での作業が楽と判断。)

まず、フロントホイールを外し、ブレーキとフロントハブを外しました。 なんとハブベアリングの軸(スピンドル)が磨耗しています。 要交換。 新品が買えなければ、硬質クロームメッキをして再研磨?

次いで、アッパーリンクとロワーリンクの取外し。 この過程でロワーリンクのボールジョイントが外れず、ボールジョイントリムーバーを壊し、やむなくボールジョイントの軸をサンダーでカット。
左の写真がアッパーリンク、右がロワーリンクの取外し、一部分解完了状態。
カットしたボールジョイント

次いで、フロントホイールベアリングの軸(スピンドル)分解
これも奮闘努力の甲斐なく2種類のベアリングプーラーでも分解できず、上記ボールジョイントの軸と共にアルバイト先のバイク屋のプレス機でやっとの事抜く事が出来ました。---5トンのメーターが振り切っていたので、多分6トン位の力と思います。 左が分解前、右が分解後。

次いで、アッパーリンクとロワーリンクのブラケットからラバーブッシュを抜き、ほぼ分解・フレームからの取外し完了です。 勿論ブッシュは劣化したゴムのかたまりで、ロワーリンク側は錆付きサンダーで切れ目を入れた後にベアリングプーラーでの抜き取りです。

 で、今後どうするかは後日報告します。 まずはベアリングの軸(スピンドル)を探さないと。 

 今日11月5日、初めて親切なジャガーのレストアラーにお会いしましたので、それも併せ近日報告します。

NISHIさん 質問に対し出来る限り正確に回答し様とコメントを入れましたが答えてもらえないので、以下の通り、ボールジョイントのテーパーの外し方を書きました。                                     フロントハブ等が付いているナックルからアッパーリンクのボールジョイントを外す方法はおおよそ3種類かと思います。                                                                ①.  ボールジョイント スタッド部のテーパーの食い付きが比較的ゆるい場合には、写真の中の黄色い① 矢印部分(ナックルのテーパー部側面)をハンマーで程々の強さで何度かたたくと外れる場合があります。何度かたたいて外れない場合はナックルが変形したりしますのであまり多くたたかない方がいいと思います。                                                                                                                                                  ②.  ネジ式の「ボールジョイントリムーバー」 や 「タイロットエンドプーラー」 と言われる物を使い、ナックルとアッパーリンクの間 黄緑矢印② にリムーバー部分を入れ、ボールスタッドのネジ部をネジで締めあげて行きます。このネジ式は、作業は安全ですが壊れやすく、強力さにもかけています。                                                                                  リムーバーやプーラーの形はアストロプロダクツの通販ページ、下記を参照してみてください。  http://search.shopping.yahoo.co.jp/search?p=%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC+%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC&tab_ex=commerce&cid=2503&ei=UTF-8&xargs=4&b=1                                                                         http://search.shopping.yahoo.co.jp/search?cid=2503&p=%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC&aq=&oq=&ei=UTF-8&first=1&tab_ex=commerce&mcr=037334fad4abeaed05ef131588143f4c&ts=1442928900&va=&ve=&used=0&pf=&pt=&seller=0&mm_Check=&sc_i=shp_pc_search_searchBox                            ③.  テーパーの爪が付いたボールジョイントセパレーターで、テーパーの爪を黄緑矢印②・③の所に差し込み、後端をハンマーで思いっきりたたき、爪を差し込み外す方法です。私も、ロアーボールジョイントが外れず、最後はこれで1つ外れました。購入するならこの手をお勧めします。                                                                                  セパレーターの形はアストロプロダクツの通販ページの下記を参照してみてください。      尚、セパレーターの内幅には何種類かありますので、寸法を測って適切な物を選んでください。 http://store.shopping.yahoo.co.jp/kougudirect/balljoint-sepa300-01.html                                                                            ③でも外れない場合は、私のロワーボールジョイントの様に切断しかないと思います。また、いずれの場合でもボールジョイントのダストカバーは壊れると思って下さい。  又、ロワーボールジョイントにジャッキをかけたり、外すボールジョイントのナットを2・3山かけておく等安全対策は充分に行って下さい。                                                                            blogPA271003.jpg 何時もつたないブログをお読み頂きありがとうございます。 下記はブログランキングのアイコンです。 是非クリックし応援をお願いします。  名車・クラシックカーのランキングへ                               にほんブログ村 車ブログ 名車・クラシックカーへ
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ブレーキ ペダル ユニットの組立て [ E-Type シャシー]

 前回ブレーキペダルユニットの記事を書きましたが、ペダルユニットではもう1つ苦労した点があり、簡易な作業テクニックとして参考になればと思い、レポートしておきます。 

 下写真のリンケージの組立てだけで、2日もかかりました。
原因はアメリカから購入したブッシュの内径は小さく、外形は大きい、要はブッシュの板厚が厚かった為に、軸にも穴にもブッシュが入ず、修正作業をしたからです。


 ナイロンブッシュの板厚は0.6mm位で柔らかく削る事が出来ず、ブッシュの入る10ッ箇所全て軸と穴をガタなく、しかもスムースにまわる状態迄、研磨するはめになりました。 研磨した量は0.03~0.05mm程度です。

 ブッシュの入る軸側は、部品をハンド ドリルに取り付け回転させ、サンドペーパーを指で押し付けて削る方法です。 程々削ったら、ブッシュを嵌めて見て、きつけれは又削るの繰り返しです。
削り代が大きい場合はヤスリを押し付け程々削ったら、サンドペーパーを押付け仕上げます。
 この時大事な事は、部品をドリルに正確に取付ける事です。 その為、取付けたらまず空回しして、目で振れを確認し、振れていれば、取付け直します。
 この方法ですと 0.001mm位まで加工できます。

 次にブッシュの入る穴側です。 0.03mm程度以上とかなり削る為、まず、小型のハンドグライダーにサンドペーパーを筒状にした市販のグライダーを取付け、軽く内径を削ります。
 次いで、下写真の様にスリットを入れた棒をハンドドリルに取り付け、溝にサンドペーパー入れ、棒に巻き付け、穴に入れ回転し、内径を研磨します。 今回はブッシュ外径と合せる為に削っては嵌めてみて、又削るの繰り返しです。 上手い人は、これも0.001mm程度まで精度を出すことが出来ます。
 この方法は円筒状のグラインダーの加工が決め手で、片削りの無い様に細心の注意が必要です。 又、サンドペーパーの巻く大きさは出来る限り、穴径に近い大きさが良いと思います。


仕上がった内径です。 

 街の工具やさんでは、0.1mm以下の単位のドリルは(例えば6.15mm)なかなか売られていないので、近似のドリルで穴をあけ、スリットの棒とサンドペーパーで内径を磨くと、非常にいい精度の内径が出来上がります。

 リーマもいいですが、一回ぽっきりの仕事にはもったいないし、今回は相手側がナイロンの為、欲しい径が定まらなかった為、この手法にしました。
又、フラップ付のグライダーも売られていますが、内径が20mm程度以上でないと市販のグラインダーが入りません。 

この作業は回転している物を直接触る為、危険も伴います。 実施に当ってはくれぐれも注意し、自己責任で実施して下さい。


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四苦八苦のレストア [ E-Type シャシー]

 長い事ブログから遠ざかってしまいましたが、kotobuki1946は元気です。 誰も気にしていなかったりして!!

 秋の新車発売に向けて、8月末から新部品が立ち上がり始めており、品質管理の面倒見をしている者としては、やはり気の抜けない日が多くなっています。
 ただ、もう一方のバイト先のバイクの中古部品ネット販売は、旧盆明けからめっきり売れなくなっています。 今年は暑過ぎて、皆さんバイクに乗らなかったのかな。 昨年は暑い中必死で出荷したのですが。

 所で、Eタイプのレストは、と言うと

 やっとの事で、インテークのカムシャフトが入手出来ました。 不良部品(異品)はイギリスに返却し、返却送料も含め返金されました。 一見良かったぁ~ですが、そうでもありません。 
 カムシャフト後端にタコメーター用のネジが無く、私がねじ切り。 更にカム部のオイル供給穴もありません。 この穴 1.2~1.3mmのドリル穴です。 1.5mm以下の穴は素人では加工できず、精密機械加工屋さんに加工を依頼。 完了待ちです。 (内心カムシャフトを落として割らないか、加工中にドリルを折らないか心配でたまりません。)
 と言う事で、エンジンの組み立ては未だ待機中です。 写真左が旧品、右が今回入手の新品

カムシャフト後端のめくら栓にタップを立て、めくら栓を外し、     タコメーター用のネジ加工完了

無事タコメーター用ドライブ フランジが組付きました。  しかし、カムのオイル供給穴がありません。 旧品の
                              見える穴は2.5mmですが、奥は1.2mm穴です。

 更に、ズーッと前の先日、ブレーキペダルユニットのナイロンブッシュが届き、組立てました。 しかし、最後の最後に、私の不注意で、E型スナップリングを割ってしまいました。
 このスナップリングが大変な曲者で、イギリスにもアメリカにも無く、国内は一般に100個単位の販売で、1個 10円位です。 1個使うのに100個買うの!!!  しかも、JIS規格品の板厚 1.0mm厚に対し 0.8mmとジャガーの部品は板厚が薄い。
 昨日やっとJIS品のばら売りを探し、購入予定。 平面グラインダー加工で板厚を調整予定。

ペダルユニット内のリンケージ 全て黒色亜鉛メッキ   リンケージ アッセンブリーの本体は黒色カチオン塗装
                                   ペダルアッセンブリーの本体はアルミ

2つのアッセンブリー品を更に組立て、最後にシャフトにE型スナップをはめ完成という所でスナップを破損。 スナップはアルミ部品の所の黒いボルト2本の間のシャフトに付く予定でした。
黒いゴムのジャバラはブレーキサーボ(ブレーキブースター)です。

レストア前のペダルブラケットです。 

上手く進まないレストアの愚痴はまだまだ続きます!!!!

参考情報
カチオン塗装はブレーキ液に強く、塗膜がブレーキ液で侵され剥れる心配はほとんどありません。
今回はジャガーのオリジナルとは異なりますが、カチオン塗装にしたのはこの為で、色合せの為にメッキは黒色亜鉛メッキ(緑色の亜鉛メッキよりは若干防錆力が劣り、白色よりは防錆力がある)としました。


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ステアリング ギアーの組み立て [ E-Type シャシー]

 9月に入っていい事が毎日続いています。
 その1. 沖縄から南国の味が届きました。 同時に実家からは梨が届きました。 梨は豊水です。
       幸水は単純な甘さで、夏の水分補給に最適ですが、豊水は若干酸味があって、幸水を
       想像して食べると一口目は ”ウ! 違う” ですが、 3~4口目位からは味が濃く、
       これはこれで美味しいですよ。 

       南国の味は、収穫後5日目が熟して美味しいとの事、明日が最高に熟していると思うので
       後日報告。
       

 その2. 待ちに待ったジャガーの部品がアメリカから届きました。 イギリスに無く、アメリカの3軒目
       (延べ4軒目)でやっと見つかり、発注、今日届きました。 手に入ってよかった~~~~。

ブレーキペダルの部品で、たったこれだけで         車に付いていた部品 ナイロンが劣化し、
5600円(輸送費別) 正規価格のちょうど3倍です。     磨耗もしている。

 前置きが長くなりましたが、今日、ステアリング ギアーの組立てを行いました。

完成写真です。 といってもダスト ブーツのクランプは取付けてありません。 (日本のステンレス製がベストと判断) この写真は、下写真の車取付け状態に対しては左右と前後が反対です。

車に付いていた時のギアー。 写真の中央のパイプ状の部品で、ゴムのジャバラの付いた部品。
ピニオン ギアーの入ったアルミケースも油で真っ黒です。 (これでも相当綺麗にしたつもり。)

ギアーの型式はラック アンド ピニオンです。
写真の縦の部品がピニオン ギアーで、上の白いアルミのケースに入っていて、ハンドルで、このピニオンをまわすと、下の横長のラック ギアーが左右に動き、タイヤを左右にまげて、左旋回や右旋回出来る様になっています。 私の記憶では、1970年発売の初代フェアレディ Zが日本で始めて採用したと思います。
(戦前や戦争直後は分かりませんが。)

ラックギアーのガタ調整部分                   タイヤの上下動に対応しボールジョイント
シムでガタ(バックラッシュ)を調整し、補助にスプリングを      も付いています。 ジョイントの作動力を確認。
使用している。 スプリングセット前にガタも測定。        グリースもたっぷり使用しました。

 最後にタイロッドエンドのボールジョイントを仮付けし、完成。
 (ホイールアライメントを調整する為、タイロッド エンドは仮付けです。)

と言う事で、久しぶりにグリースまみれになり、ほぼ完成。


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初めての車両組立て (ブログ100回記念・ステアリングコラムの組付け) [ E-Type シャシー]

 沖縄から夏祭りの情報が来ており、 ステアリングの組立てとどちらにしようかなと思っていたら、なんと今回がブログを書き始めて100回目です。 と言う事で、記念日には初仕事を書く事にしました。 Kさんごめんなさい。 わがままで自分の仕事を優先しました。

 又、エンジンを載せる前に、ブレーキペダルユニットを完成し、ブレーキの配管をと思っていましたが、部品がまだ手に入りません。
 その上、なんと ”風がふけば桶屋が儲かる” 式に新潟地震の余波で、自動車会社が地震直後の休業分を取り戻そうと増産に入っており、ライン向けの部品で忙しく、私の部品のメッキが一部完成しませんでした。
 
 そこで今回ステアリングコラムをメンテし、初めてボディへの組付け を行いました。
 完成写真です。

 主な構成部品です。 伸縮機構があり、チルト(ハンドルが上下動する)もしますので結構複雑で構成部品も沢山あります。
1964年頃の一般車は、固定式でチルトも伸縮も無く、部品はこの半分位だと思います。

 左が一番縮めた所で、右が一番伸ばした所、約70mm伸縮します。

 チルト機構は写真左の様にボディ側のブラケットに長穴があり、ナットを緩めて上下動し、再度締め付けるだけです。
 ステアリング シャフトは右写真の 白いアルミ ブラケット下部のダストカバーの所からエンジンルームに出てきます。

 クラクションはハンドル中央にホーン ボタンがあり、ボタンを押すと左写真上部のハンドルのハブ(白い部品)の中のロッド(上の部品写真では中央の細長い真鍮のロッド)を押し通電し、右の写真のスリップコンタクトでホーンに通電します。 当時の日本車は、ホーンボタン直下にスリップコンタクトがあったのとは大きく違っています。


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ブレーキ ペダルブラケットのレストア [ E-Type シャシー]

 先々週と先週末はブレーキ・クラッチのペダルブラケットのレストアを行っています。
 ブレーキはフロント用とリアー用の2個のマスターシリンダーがあり、ブレーキのブースター(マスターバック)はタンクが助手席側にあり、なんとも複雑な構造をしています。
 で、先々週(29日頃)と先週(5日頃)は部品を洗浄し、消耗品的な部品をイギリスに発注。
又、購入できない場合を考えて、ワッシャー1個迄サンドブラストがけをしました。 今週はカチオン塗装屋さんとメッキ屋さんに出す予定です。 (カチオン塗装はブレーキ液でも溶けません。)

 エンジンルーム左側のマスターシリンダー近辺です。 (車両を分解した時の写真; 私は再組の為に分解中の写真を残しています。 この車一台で1000枚位になるかも)
 左上のゴムのジャバラ状の部品がブースターです。 右下の茶色い部品2つがブレーキのマスターシリンダーです。


 ブレーキのマスターシリンダーを外したところです。 下側の白いアルミのマスターシリンダーがクラッチです。

 ブレーキブースターのタンクです。 右のダッシュボード裏、エンジンルーム内に付いています。 上のかすかに見える”T”字型のねずみ色の部品がバルブで、ここから左のゴムのジャバラ状のブースターにエンジン負圧をかけます。

 ペダルブラケット単体をです。 左写真の上側のレバー状の部品がクラッチペダル。 その下がブレーキペダル。 右写真の様にブレーキは大変凝ったリンクになっています。

 左はペダルブラケットを大まかに分解した所。 右はリンクの軸部を分解した例で、全ての軸にはブッシュが使われており、大きな軸には青銅製の、小さな軸にはナイロンブッシュが使われています。

 と言う訳で、消耗品だけでも30部品位あり、イギリスに発注した部品はちょうど20品目46個になりました。 といっても小さな部品だけですので、イギリスの担当者は夏休み明けで、さぞ ”疲れる~”だろうと想像します。

 実は私もサンドブラストで大変疲れました。 と言うのは、我家のコンプレッサーがこの暑さで、ボルトを3本位ブラストするだけでオーバーヒート防止のリミットスイッチが入り停止してしまい、 写真の様に小型扇風機を付けました。 しかしこれでも不十分で使うのを諦めました。
 そこで、アルバイトバイト先のバイク屋さんのコンプレッサーを借り、8月4日に一応ブラスト完成となりました。 4日はご存知のように大変暑く、今度は私の体のオーバーヒート防止用リミットスイッチがたびたび入り、休憩につぐ休憩で、大変効率の悪い1日でもありました。


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