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エンジン マウント [E-Typeのレストア エンジン]

 カムシャフトの異品でエンジン本体は作業が止まっているので、エンジンを載せる準備をしています。

 エンジンを載せるまでの手順は、まず、エンジンルームのハーネスとブレーキ・クラッチの配管をし、続いて仮付けのフロントサスペンションを外します。 多分配管の前にブレーキ・クラッチのマスターシリンダーを組付ける必要があると思う。 そして、トランスミッションをエンジンルームからフロワー下に入れ、次いでエンジン本体を入れ、ミッションを組付けた後にエンジンをマウントします。
と言う事で、まだまだ先はながいわ。

 今回はその内のエンジンマウントを点検しました。

 エンジンマウントはポンチ絵の様になっています。 下手な絵ですいません。
普通のFRに比べ、スタビライジングリンクというのが追加になっています。 又、リアエンジンマウントがコイルスプリングです。

フロントエンジンマウントはヘタリきって、しかも油と経年変化でゴムが溶け出しています。
マウントは新品に、エンジン側のボルトは新品購入し再メッキ、その他のボルトは問題ないので再メッキ。
エンジン側のマウントブラケットはカチオン塗装をします。
                                上の1個が新品。 下のボルトはエンジン側ので、
油汚れはこれでも相当綺麗に洗いました。     左右のボルトが異なっています。 この為新品購入

左写真中央の空色ブラケットに付いているのがスタビライジングリンクです。 ダークブルーは車体。取り付け位置はミッションの最前部。
右写真の様に、リアー エンジンマウントを下げすぎたら、あっという間にカラーとゴムが剥れてしまった。
右写真のアイボルトがリンクで、アイの中にゴムブッシュが入り、トランスミッションに取り付ける。 上のアイボルトの入っているのが新品マウント。

リアエンジンマウントです。 ピンボケですいません。
シート本体(台形の板)はカチオン塗装。 スプリングはスプレーペイント(カチオンは200℃で焼く為、低温焼き戻しになってしまうので、カチオンはしない。) ボルトは再メッキします。
                               コイルスプリングはこんな状態で付きます。
 ミッションの下にコイルスプリングが見えます。 勿論ミッション側にラバーシートとガイドが付いています。

 日本車ですとボルトや鉄板部分は錆びてだめになっていますが、このジャガーはご覧の通りエンジンから漏れた油が飛散し、防錆油を兼ねてしまっていますので、錆による被害は全くありませんし、ネジの固着もありませんでした。


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エンジン レストア 25 (エギゾースト カム取付け) [E-Typeのレストア エンジン]

 サッカーアジアカップ、 オーストラリアに日本が勝ちました 川口・中澤・中村(俊)が大活躍。 現役マリノスプレーヤーも先輩に負けず頑張って!!!

 さて本題ですが、先々週インテークのカムシャフトが異品でしたので、気を取り直し、エギゾーストカムシャフトを取り付け、エギゾーストのカムカバーもポリッシュしました。

 カムシャフトをベアリングの位置に乗せ、ベアリングキャップ4個を均等に少しずつ締めていきます。 無理に1ヵ所を集中して締付けると、カムシャフトが折れたり、曲がったりします。

 均等に締まったところで、カムシャフトの位置合せをします。
 一般的にはカムチエンの合いマークとスプロケットの合いマークを合せ、スプロケットをカムシャフトに締めます。
が、ジャガーのXKエンジンはカムシャフトに切り欠きがあり、ヘッドのフランジを基準に切り欠きの位置を合せ、その状態で、カムのスプロケットを取付けます。

                               専用ゲージでカムシャフトの切り欠きの位置を合せ、
中央にカムシャフトを合せる切り欠きが見える。   それに合せて、スプロケットを取付ける。

エギゾーストのカムシャフト取付け完了。 前回のブログで上死点に合せて有ったので簡単でした。

 続いて、カムカバーのポリッシュ。
 写真の片側(インテーク)の様に黒くアルミの腐食が出ていました。
 (ヘッドをサンドブラストした時、ボルト穴部を主体にブラストしたので、これでも腐食はだいぶ少なくなっています。)
腐食は意外と深く、120番のペーパーで、出来る限り腐食を取り、次いで、220番で、ほぼ完全に腐食を取り、後は番手をめあすとして1.5倍ずつ上げ、サンダー目を細かくし、2000番迄かけました。
続いて金属ポリッシュで仕上げました。

 エンジンフロントの曲がったパイプ状の部品はブローバイのオイルセパレーターで、約1ヶ月前にポリッシュ。三角の黒い部品はイグニッションコイルのブラケットです。

と言う事で、エンジン本体で、今出来る事はここ迄。 インテークカムシャフトが来たら再開です。

 車のメカばかりではつまらないので、山百合の花を1輪
神奈川県は、山百合は採取禁止です。 3年前に千葉の田舎の裏庭から球根5個を頂いて来ました。
草花にとって環境が良いと思う所に植えた物は腐ってしまい、生垣の下に植えたものが育ち、今年初めて花を咲かせました。 山百合は木の下等の肥料の少ない、割合乾燥気味が良いのかな? 野生種は難しい。


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エンジン レストア 24 (シリンダーヘッド取付け) [E-Typeのレストア エンジン]

 先週の週末はシリンダーヘッドを組付けました。 相変わらず、ブログを書くのが遅れ気味です。

 ヘッドを組付ける前に、バルブや点火のタイミング合せの為のクランク シャフト(以下クランク)の上死点の設定です。
 ピストン上部にダイヤルゲージをセットし、クランクを回し、デストリビューターの位置が点火位置で、しかもピストンが最も高い位置になった所で、タイミングマークプレートをダンパーの目盛の”0”位置に合せ組付けます。 このタイミングマークプレートは約10mmもの長穴だった為、念の為、タガネで合いマーク(ボルト間の直ぐ内側に2箇所)も打ちました。

デストリビューターの位置合せ用キー溝            タイミングマークプレート 右端が”0”位置

 続いて、シリンダーブロックにガスケットを乗せ、シリンダーヘッドをチエンやヘッドボルトに当たらない様に慎重に乗せます。 今回はヘッドが重いので、エンジンスリンガーを使って乗せました。 そしてヘッドボルトを締め付けます。
 ヘッドボルトの締付けは中央のボルトから外側にと順に締めます。 しかも1度に規定の締付けトルク迄締めるのではなく、最初規定トルクの半分位で締め、続いて規定トルクまで締める様にします。

(どの様な部品や機械でも1つの部品を何本ものボルトで締める時は、長い物の場合中央付近から外に向って順に、又、丸い物の場合、タイヤ交換と同様に対角線上に順に締めるのが基本と思っています。 これは薄い鉄板を何本ものビスで締めた時、外側から締めると中央でしわやゆがみが出ます。 この状態が頑丈な部品でも部品内部のひずみとして発生しているからで、長い間使用している内に、このひずみ開放の為部品がずれたり、ボルトの緩みになる可能性があるからです。)

 ヘッドを組む付けた状態。

 続いてカムシャフト組付けですが、ここで問題発生で作業停止です。
インテークのカムシャフトを注文しましたが、着いたのは他車種のエギゾースト カムシャフトでした。 部品が到着した時見ておけばよかった。 私も馬鹿でどじでした。
 早速イギリスに連絡、新たにJaguarから販売会社に届いた部品も同じエギゾースト用との事。 再度Jaguarで調査中で、さぁ~部品が届くのは何時かなぁ~。 Jaguarの在庫が全て異品で、これから鋳造して加工して。 まぁ~もう3年やってるから1ヶ月や2ヶ月待ってもいいか。

左が新カムシャフト、中央がエギゾースト用。ロケート(緑色の溝)を合せるとカムがエギゾースト側を向く。 右がインテーク用でカムの向きが異なる。

 と言うのが現状です。


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エンジン レストア 23 (シリンダーヘッド取付け準備) [E-Typeのレストア エンジン]

 ここの所少しレストアの記事から遠ざかっておりました。 作業は行ってはいるのですが、遅々として進まず、書くまでには至りませんでした。 今回はシリンダーヘッドの取付け準備です。

  ヘッド関係で交換した部品は全てのバルブガイド,バルブ,バルブシート,バルブスプリング,インテークカムシャフトとタペットシムです。
 バルブのクリアランスは、加工後に組立てて測定しタペットシム厚で決める為、組立て後に必要なシム購入では無駄な時間をかける事になります。 従って、厚めのシムを購入し、シムの厚み調整(研磨)も含め機械加工屋さんに一括依頼し、完了しました。
と言う事で、以前書きましたフェアレディの部品引渡しの帰りに、組立て完了のヘッドを引取りました。

ヘッドの塗装
 塗装の下地処理としてはサンドブラストし、アルカリ洗剤と水洗いです。
塗装は色々考えた末にオキツモの耐熱ワンタッチスプレー ゴールドとしました。
(ヘッドは運転による熱の繰り返しで剥れてくる事が多く、色合せを選ぶか、耐熱塗料を選ぶか、それなりの耐熱塗装工場を選ぶかと言う事になります。 残念ながら以前使用した信頼のおける耐熱塗装工場は廃業し、今回は、耐熱塗装を試みる事にしました。)
 結果はこんな感じ。 もう少し黄色(橙)っぽい色が正しいと思いますが、ゴールドと言う事で我慢です。
 塗装部分はこれで正解と思います。 (旧の塗装跡が全く残っておらず、ネットや本を何冊も確認し決めました。)
 尚、中央のボルト3本とスパークプラグは塗装のマスキング代り。ヘッドカバーは今後ポリッシュです。

今回も下記の様な不具合に見舞われました。

カムシャフトベアリング キャップのスタットボルト     ヘッドのロケート用ヘッドボルトが太く、ヘッドに
が長く、袋ナットが底付きしてしまい、スタットの      入りません。切削加工を近くの機械加工屋さん
トップをグラインダー加工。                   に依頼しました。
(下側の袋ナットが底付きで、1mm位隙あり。)

その他にマニホールド用のスタット交換等をし、3回の週末を使ってしまいました。 今週末やっとヘッド組付けが出来ると思います。


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エンジン レストア 22 (チエンの組み付け) [E-Typeのレストア エンジン]

 今週は、シリンダー ブロックにチエンを組み付けました。

 作業手順は複雑ですので、文末にしました。 興味のある方はお読みください。
 ともかく、下側のチエンも上側のチエンも共に、チエン組付けと同時に他の何箇所も組付けなければならない複雑な組付けでした。

 下側のチエンを仮付けした所です。 まだ手前側のチエンブラケットや上側のチエンテンショナーは付いていません。
写真の左がエンジンの下側です。 写真の右側のスプロケットが中間スプロケットです。

 上側のチエンブラケットを組付け、下部のチエンガイドも調整が終わった所です。
写真の左がエンジンの下側、右側がエンジンの上側になります。
 上側のチエンは”ぶらぶら”しない様にたたみ、縛ってあります。 アルミのチエンブラケットに付いている小さい円盤状の部品(小さい2個の穴付き)が上側チエンテンショナーの調整板です。

 今回は下部チエンのガイドの位置が全く合わず(チエンガイドはチエンにかるーく触る程度の位置がベスト)、又、穴が小さくボルトの入らない部分も有り、長穴の追加工を実施。 実は前回のオイルパイプのブラケットも穴位置が合わず、追加工をしました。 毎回、新品部品の追加工を余儀なくされています。

 ”イギリスの部品はすんなり付く事はない” と聞いていたがここ迄とは・・・・。  しかし、どこかの国の車と違い、43年前の車でも部品があるだけ有りがたい。 部品がなければレストアも出来ない。

今回使った工具の中で、”これは便利” と言うのが下写真のレンチにつなげられる小さなスパナです。
スパナもボックスも入らない、陰になったボルト・ナットの締付けに効果大です。

 尚、前回ペンデングになっていた、デスビのギアーとシャフト位置はベストに近い位置でした。
デスビのキャップを外し上から見た写真です。 左側の小さな緑色のマークがNo.6シリンダーの点火位置。 ちょうどこの緑のマークにローターが来ています。 このローターからデスビキャップのNo.6のハイテンションコードに電気が流れ、点火します。

 
 実際の点火時期の微調整は写真のデスビ下部の”く”の字に曲がったボルトとその左側のボルトの部分で行います。

 チエン組付けの作業手順
 最初に奥側のチエンブラケットに中間スプロケット(チエン用ギアー)のシャフトを組み付け、このブラケットを、シリンダーブロックに仮組みします。 この時ロワー側のチエンガイドも仮組します。

 次いで、中間スプロケットに上部チエンと下部チエンを取り付け、クランクシャフトのスプロケットに下部チエンを噛み合わせながら、中間スプロケットをはめ込んで行きます。 次いで、下部チエン用の油圧式チエンテンショなーを組み付けます。

 上部チエンテンショナー用のシャフトを手前側(フロント側)のチエンブラケットに組み付けておきます。 上部チエンテンショナー用スプロケットを上部チエンに噛み合わせながら、手前側のチエンブラケットを上部チエンガイドと共に組み付けて行きます。
最後に下部のチエンガイドを調整しました。

後はシリンダーヘッドが完成したら、最上部のカムシャフト用スプロケットを組付ける事になります。


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エンジン レストア 21 (オイルポンプとオイルライン組立て) [E-Typeのレストア エンジン]

 先週に引続きエンジンの組立てを行っています。
 今週はオイルポンプの組付けと、オイルパンからのオイルの吸入パイプ、オイルポンプからシリンダー
ブロックへのオイルの供給パイプを組付けました。

1.オイルポンプギアーの組付け
  このギアーは、オイルポンプを駆動すると同時にデストリビューター(以下 デスビ)も駆動させます。
 従って、重要な事はギアーの遊び(ガタ)とデスビの取付け位置を決めておくことです。

  新しいギアーを取り付けた事も有り、ギアーの遊びも、シャフトの軸方向のガタも良好です。
  デスビの取り付け位置は、日本車の場合部品に合せるマークが付いています。
 ジャガーは下の絵のみです。 従って、今回は出来る限り絵に近い状態で合せてみました。
 今週末にデスビをセットし、No.6シリンダーの上死点で点火状態になっているか確認してみます。
 間違っていたら作業は振出しに戻ります。 組立て中にデスビを付け、点検しておけばと反省中。 
  尚、このジャガーのNo.6シリンダーは一番前のシリンダーで、日本車とは反対の番号です。

   
説明文では「No.6シリンダーを上死点にした          と言う事で後々の為に、独自にポンチで
時のデスビのドライブシャフトのオフセット位置を         マーク(緑と赤の点)を付けて置きました。
示す」とだけ。 後はなーんにも説明が有りません。

オイルポンプのギアー(金色の部品)組付け状態

2.オイルポンプの組付け
  以前メンテしておいたオイルポンプを組付けネジで締め付けるだけです。
  オイルポンプのメンテナンスは下記のブログを参照願います。
   http://blog.so-net.ne.jp/hisashi1946/2007-02-22

3.オイルパンからポンプへのオイル吸入パイプの組付け
   下写真のフランジ部分が下に突き出したパイプです。 写真では見難いが、フランジ側(ポンプと
  反対側)のブラケットが分解時とは全く別物です。 ジャガーの部品カタログでは今回組んだ物が
  正規の様です。 Eタイプの部品販売会社のカタログを2社調べましたが、分解時と同じ部品は
  見つかりませんでした。

4.オイルポンプからシリンダーブロックへの供給パイプの組付け
  オイルポンプに片側を挿入し、反対側をシリンダーブロックにガスケットと共に締付けるだけです。
  (心配性の私はガスケットにシール剤を塗って締付けました。)

今回の組立て状態

分解時の状態  この汚れも綺麗に落としました。


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エンジン レストア 20 (クランクとピストン組立て) [E-Typeのレストア エンジン]

 沖縄の友人が私のブログのコメントを見て、追加のレポートを送ってきましたが、ジャガーのレストアもやっとエンジンの組立てに入りましたので、今日は、沖縄を小休止して、エンジンの方をレポートします。

 今回は、シリンダーブロックにクランクシャフトとピストンを組付けました。

 下写真の様に完成しました。


リアーシールはフエルトタイプです。


 まず、一番前と一番後ろのベアリングのみを組付け、クランクの曲がりを確認、OKと判断。
 次いで、全てのベアリングを入れ、クランクシャフトを組付けた所、回転は非常にスムースでしたが、軸方向(スラスト方向,車の前後方向)の隙は大きく、標準のスラストベアリングから+0.10mmの物に変更し、更にスラストベアリングの背面をサンドペパーで削り、ジャガーの規格0.10~0.15mmに対し、ちょうど0.10mmにしました。 (この隙は車の使用で磨耗し、大きくなる方向の為、小さめがいい)

 鉄板の上にサンドペーパーを置きベアリングの背面磨き。 平面研磨機では0.5分の所、手作業では、磨いては測定し又磨きで、なんと0.10mmの隙にするのに4時間かかりました。 この効率では会社だったら首です。
左が、スラストベアリングとサンドペーパー。 右がスラストベアリングをキャップに組付けた所。

 次いで、以前お伝えしましたピストン外径の不具合の事もあり、ピストンリングの隙を確認。 案の定0.2mm程度と少なく、下写真の様にサンドペーパーで端末を削り、ジャガーの規格の下限値0.38mm(オイルリングは0.28mm)に合せました。 (この隙も磨耗で大きくなる為、初めは小さめがいい。)

(ピストンの不具合とは外形が0.14mm小さく、この寸法に合わせブロックのシリンダー径を加工。 これに伴いピストンリングの隙も加工が必要となった。 この寸法ですと、もう一度シリンダー加工しても標準のピストンが使用可能というメリットもあり。)

 最後に、ピストンとコンロッドの組立て品をシリンダーブロックに組付けて、最初の写真の様に完成しました。

今回使用したその他の道具
左が、ピストンリングをピストンにはめたり、外したりする ”ピストンリング リムーバー”で、右がピストンをシリンダーブロックに入れる時に、ピストンリングを縮めておく ”ピストンリング コンプレッサー”です。

 今回のエンジン組立ては右下写真の黒い部分の内部です。
ピストンはガソリンが燃焼室で爆発燃焼した力を受け、上下動します。 このピストンの動きをコネクチングロッドをかいしてクランクシャフトに伝え、クランクシャフトが回転力に変換します。
 従って、エンジンの力で自動車が走るのはここから始まることになります。


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エンジン レストア 19 (シリンダーヘッドの加工と組付け) [E-Typeのレストア エンジン]

 先々週迄シリンダーヘッドの清掃や吸入・排気のポート磨きなどをして来ましたが、最後の洗浄も終わり、埼玉の機械加工屋にさんに加工を依頼しました。
 シリンダーヘッドの加工は、バルブガイドの交換とバルブシートの交換、それに伴うバルブクリアランス調整の為のタペットシムの板厚調整(厚いシムを購入し、研磨で厚みを調整)があり、組立て迄を依頼しました。

 今回、”ブログの内容がわからない” との読者からの声が有り、多少なりとも改善をと思い、レストア作業をしている部品の場所が分かる様に説明図を追加して見ました。

シリンダーヘッドは下図の様な部品です。

 シリンダーヘッド関係では本当に色々な問題があり、完全にとは行きませんが各不具合は次の様に対応する事にしました。

 1.燃焼室外周の傷---修理せずこのまま組付ける。完全を目指す私としては悔しく、残念です。
    溶接肉盛りも考えたが、溶接でヘッド全体が歪み、歪みによる問題の方がはるかに大きいと
    判断した。 又、エンジンの専門家は、この程度の傷であれば走行には影響ないとの事。

  写真の大きい円が燃焼室で、その中の中ぐらいの円がバルブシートで4項の内容で交換、更に中ぐらいの円の中の最も小さい円がバルブガイドで5項の内容で交換する。

 2.カムシャフトの一部破損  吸気側で、スラスト方向(前後方向)のガタを規制するフランジが破損。
   ---吸気側のカムシャフトを購入し、交換する。 尚、排気側は磨耗もなくそのまま使用する。

 3.バルブスプリングのへたり---インナー・アウターのスプリングを購入し、交換する。
    スプリングのへたりは、インナー(小径のスプリング)約2mm,アウター(大径)約3mmでした。
 4.バルブとバルブシートの磨耗---タペットシムの厚みから推定し、バルブシートがかなり磨耗して
    いると思われ、又、無鉛ガソリンの対策もあり、今回全てのバルブとバルブシートを交換する。
 5.タペットガイドも若干ながら磨耗しており、この際交換する。

交換は、一番左の細長く傘の付いた部品と大小2個のコイル状の部品です。
1気筒当り2セット必要で、6気筒分の為、計12セットのもなります。

 と言う事で大雑把に言うと、ヘッド周りの再使用可能な部品は、不満足な燃焼室のヘッドと元気な排気側カムシャフトだけでした。

 ”ゆとりあるリタイヤ生活” のはずが、部品代を稼ぐ為のアルバイトに追われる日々となってしまった。

 マーいいか。 ”趣味の為のアルバイトは贅沢だ” と自分に言い聞かせ頑張ろう!!!


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エンジン レストア 18 (シリンダーブロックのボーリングと塗装) [E-Typeのレストア エンジン]

 やっと以前ボーリングをして頂いたシリンダーブロックに戻る事が出来ました。  と言う事はエンジン組立てに限りなく近づいたと言うことでもあります。

 今回のレストア部分は下写真の部分です。

 シリンダーブロックの加工で付いた油等を三栄商販の”HYPER スーパーオイルクリーナー C100”で洗浄し、更に水洗いで、洗剤を落し、エアーブローで水切りをして、乾燥させて塗装の前処理を完了。
 (シリンダーブロック等鋳物は非常に錆びやすいので、手早く乾燥までを行う必要があります。 今回も
  一部に薄い錆が出ましたが、塗装後シンナーで薄めたエンジンオイルを使い、硬い刷毛で錆取りを
  しました。 組立て時更にきちんと錆を取りながら組もうと思います。)

 塗装はプライマーを軽く塗り、某社のカチオン塗装の補修用半つやブラック(アクリル カンスプレー)を4回塗りました。 この半つやブラックは割合粘度が高くたれ難く、一回の塗りが厚く出来ます。

シリンダーブロックの加工前

シリンダーブロックの加工後 ウオータージャゲット等を重点に業者で洗浄していただいた。

シリンダーブロック塗装後 写真でわかる様に塗装完後のシリンダーの防錆等で、夜遅くまでとなってしまいました。 ヘッド面が赤く見えますが、実際は錆びていません(多分スリンガーの赤が反射した)。

近所の人が ”遅くまでご苦労様”との事。 趣味ですので、なんと答えていいのやら戸惑いましたが、取り合えず ”有難うございます”。


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エンジン レストア 17 (カムカバーの清掃) [E-Typeのレストア エンジン]

 昨日、奇跡の様な事が起きました。 と言うのは私が偶然見つけたブログにコメントを入れた所、それがなんと、なんと、私の甥のブログでした。
アドレスは下記です。 私同様宜しくお願いします。
http://blog.so-net.ne.jp/My_Favorite_Go_Ray/archive/20070510

 今回はヘッドカバーの内面清掃です。 外面はポリッシュするので、組み立て時にします。
写真の様にヘッドカバー内面にオイルが固着し、しかもブローバイからと思われる半分燃えカスの様なスラッジが付着していました。

清掃は次の手順で実施しました。
 まず、今回も和光ケミカルのリムーバーで、固着したオイルと半分燃えカスの様なスラッジを溶し洗浄。
次いで、リムーバーは酸(?)が強く、三栄商販の”HYPER スーパーオイルクリーナー C100”と言うバイク屋で使用している洗剤で、リムーバーを洗浄。 最後に、水をたっぷり使い、水洗いで全ての洗剤を流しました。

結果は写真の様に新品同様となり、左右2本個のカバー内面を約4時間で完了です。

今回の清掃で、一箇所だけボルト穴部の割れを発見しました。 ヘッドの加工と同時にこの部分の溶接修理を依頼します。 (溶接をすると外面ポリッシュ後は他の部分と輝きが異なり修理跡が残ると思います。)

和光ケミカルのリムーバーは多分酸系統と思われ、かなりきついので充分な注意が必要です。
購入は自動車整備用品屋さんで2000円/本弱で入手できると思います。
しかし、三栄商販の”・・・C100”は業務用20リットル入りをバイク屋さんから購入。 少量個人で購入出来るかはわかりません。 ホームページは下記です。 
http://www.sanei-timely.com/index.htm


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エンジンレストア 16 (給排気のポート研磨)  [E-Typeのレストア エンジン]

 先週に引続きシリンダーヘッドのサンドペーパー作業です。 今回は吸気と排気のポート研磨です。
今週はサンドペーパーを直接手に持って作業する為、左右の指の腹は指紋がないくらい磨耗してます。

 本格的にポート研磨をするのはSRL311に続き2度目ですが、 レース用の様に1度走行したら分解・清掃する場合は、毎回ポートが綺麗で、給排気の流れがスムースになり、充分効果があると思います。
 しかし、公道を走り、余程のトラブルがない限り分解・清掃しない車は、どれほどの効果があるか疑問に思っています。 と言うのは半年・一年,5000Km・10000Km走ると排気ポート等はカーボンで汚れてしまいます。
 では何故3日間も掛け、手の痛みをこらえてしたかと言うと、”後で、やっておけば良かったと思いたくない” ただそれだけです。
 今回は、このエンジンの経験がない為、現状のポート形状と寸法を変更することなく、ポートの面を滑らかにする事だけを心がけました。 (ポート形状の変化や部分的な寸法変化は異常音や振動を発生する事がある為。)

エンジン分解時の排気(エギゾースト) ポート  穴の中はカーボンが0.5mm位積もっていた。

排気(エギゾースト)ポートの研磨後 

吸気(インテーク) ポートの研磨前  一部に鋳肌部分がありました。

吸気(インテーク)ポートの研磨後

ポート研磨に使った道具  サンドペーパーは120番,220番,320番,400番です


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エンジンレストア 15 (シリンダー ヘッドの清掃)  [E-Typeのレストア エンジン]

 この数日間シリンダーヘッドの清掃に明け暮れしています。
シリンダーヘッドはバルブシート(シートリング)を初めバルブ関係の大半を交換する事で、加工専門業者に依頼する方向で進めております。 その為事前にヘッドの清掃を完了しておく事にしました。
(ヘッドが組みあがった後での清掃では、サンドブラストの砂侵入や水による錆等の可能性があり、ヘッド単体での清掃がベター。)

 今回の清掃は外観が主で、前回のブログで取り上げた自作サンドブラストでヘッドの汚れ・腐食部分を除去し、更にヘッドのポリッシュ部分をポリッシュしました。
 仕上げ目標のエンジン (アメリカ テキサスのチーム CJ ワークスのエンジンです。)

サンドブラスト
自作ブラスターを組み上げ、エンジンスリンガーでヘッドを吊りブラストする。

ブラスト完了後は30分で分解し、保管。 保管時の寸法は90Cm×60Cm×12Cmと薄くなりました。

サンドブラスト前 (エンジン分解時)

サンドブラスト後 (ロッカーカバーは別途サンドペーパーで仕上げる為、ペーパーの掛けにくい部分のみブラストした。)

ヘッド前部のポリッシュ。 (最終的にはヘッドをゴールドに塗装後再ポリッシュが必要。)
ポリッシュ部は写真の様に波うっていました。

この波うちを平やすりで平らにし、上記のサンドブラストをし、サンドペーパーでポリッシュ。 最後に金属磨き材で仕上げをしました。
2000番のサンドペーパー完了時点

金属磨き材完了後


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エンジンレストア 14 (バイク屋のプロ用クリーナーでオイルパン清掃) [E-Typeのレストア エンジン]

 先日サンドブラストによるフロントカバー清掃で失敗しましたので、オイルパンは職権を乱用し、アルバイト先のバイク屋さんの洗浄設備とクリーナーをフル活用し、清掃しました。
 オイルパンは、フロントカバーの様に激しい腐食を取り除く必要がなかった事と、部品が大きくブラスト装置に入らない為に職権乱用をする事にしました。

清掃前のオイルパン。 外面はエンジンを降ろした時に、油と埃混じりの汚れをシンナーと刷毛でラフ清掃しあります。

バイク屋のクリーナーでの清掃は次の手順で実施。
1.オイルクリーナーで表面のオイルを清掃し、水洗いでクリーナーを除去。
2.和光ケミカルのリムーバーを使用し、ガスケットの取り残し・ペイントとオイルパン内部のスラッジ状の
  汚れをブラシで清掃、水洗いで洗剤を除去。
3.アルミクリーナーを使用し、アルミの軽度な腐食(変色やしみの様な状態)をブラシで除去、艶出し。
  水洗いで洗剤を除去。
4.2と3を数回繰り返す。
5.最後にスチームクリーナーで仕上げの洗剤除去。 更に水洗いで念押しの洗剤除去。

尚、リムーバーとアルミクリーナーは強い酸性と思われ、肌を保護する必要があり、目の保護は絶対に必要です。 又、2のリムーバーはプラスチックやゴムをたちどころに溶かしますので、金属のみの使用に限定される。

以上の結果、写真の様に新品に負けないくらいに綺麗になりました。 (写真のオイルパン底面のまだら状は水洗いの水滴。)

和光ケミカルのリムーバーです。 他のオイルクリーナーとアルミクリーナーは20リッター売りでプロショップのみの販売です。

さすがにプロ用品です。 これだからこの会社辞められない。 
私のアルバイト先 ブーメラン ワン のホームページ
     http://www.boomerangone.co.jp/


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エンジンレストア 13 (サンドブラストでフロントカバーを清掃) [E-Typeのレストア エンジン]

 頭の中はエンジン組立てで一杯なのですが、実態は何時までたっても組立てが始まりません。 タイトルも既に13回目です。

 今回は、フロントカバーをサンドブラストで清掃し、クリアー塗装しましたが、アルミの輝きが出ず、失敗談のレポートです。 どの部品もエンジン内側の汚れが頑固で、色々な洗剤を試したが効率が悪く、サンドブラストに至ったしだい。

 サンドブラストは汚れを削り取って落す為、当然素材部分も削り取ってしまいます。 従って、機械加工部分を綿テープでマスキングしてサンドブラストを実施。

 まず、80番のアルミナ(酸化アルミ)の砂を設定5kg/Cm2のエアー圧(貧弱なコンプレッサーの為実質3kg/cm2程度)でブラストし汚れを落す。 尚、ウォーターポンプ取り付け部は腐食が激しく、腐食部分を取り除く為あえてマスキングしなかった。

内部はこんなに綺麗になりました。---ここ迄は成功。

フロントカバー内面もこの位の汚れだった。

 次いで、100番のガラスビーズを約2kg/Cm2で吹付けアルミの輝きをだす。 程々輝きは出たと思う。 次いでクリアー塗装。

 結果アルミの輝きは ”0”に等しい。 ライトグレーのプラスチックの様でした。 失敗です。

 原因は、ガラスビーズは3回目の使用で、100番の丸いビーズのはずが相当量砕けガラスの欠片になっていたと思う。 従って、程々の輝きしか出なかった。 節約のつもりがケチって失敗。

 次いで塗装は早く仕上げたく、会社への出勤前後の早朝や雨上がりの夕方行った為、湿気で白化してしまった。   ”急がば回れ”  とはよく言ったものだ。

 今回は失敗したものの、サンドブラストによる艶出し・輝きを出す技術は必要であり、フロントカバーの塗装を剥し、新品のガラスビーズを使用し、アルミの輝きを出す方法を身につけたい。
 多分本当の輝きを出す為にはプラスチックビーズやコルク,コーンチップ(とうもろこしの欠片)等も必要かも。


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Eタイプのエンジンレストア 12 (シリンダー ブロック加工完成) 引地川の桜情報 [E-Typeのレストア エンジン]

 加工を依頼していたシリンダー ブロックが3月26日に帰ってきました。

 今回加工した内容を下記の通りです。
1.シリンダー径をスタンダードに戻す。
   シリンダー径は最大径迄加工されており、イギリスからライナーを購入し再ボーリング、初期
   のスタンダードに戻しました。 尚、前から2番目の気筒はライナー嵌合径も大きくなっており、
   ライナーの材料購入し、ライナー製作からボーリングを実施。
2.ウオータージャケットのプラグ交換
   1部のプラグからは水漏れし、又、プラグの形状の異なる物もあり、全て新しいプラグに交換。
3.ブロックの洗浄
   古いエンジンの為、ウオータージャケットを主体に洗浄を依頼。 内部からは約コップ一杯の
   水垢等が出てきました。 洗浄しなかったらオーバーヒートしていたと思う。
4.その他
   ヘッド ボルト 10本はスタット リムーバーでも外す事が出来ず、ボルトが壊れる前に
   抜き取りを依頼。 振動をかけながらの抜き取りに成功。

 ブロック加工にかかった費用 
   ブロックの加工屋さんへの支払い 163,000円 (税込み)
 イギリスからの部品購入  
   ライナー      150ポンド/6個     ( 36,000円相当)
   ピストンセット   445.14ポンド/6個  (107,000円相当)
    (ピストンセットにはピストン リング,ピストン ピン,Cクリップを含みます。)
   輸送費       100ポンド         ( 24,000円相当)

 ピストン セットの価格を国産某車と比較すると、2000cc4気筒車の同じ部品内容で、
約13,000円/1個。 Eタイプは輸送費込みで、19,800円相当です。
E タイプのピストン セットの部品価格は安い? それとも高い?

加工完了ブロック

加工前のシリンダー ボアー

加工前のブロック  1番左のプラグは形状が凹型。 中央のプラグからは水漏れ

神奈川県中部 引地川の桜情報 3月26日現在
まだ咲き初めです。 多分今度の週末で早めの花見となるかな?

ごく一部はこんなに咲いています。

この地区には駐車場がありませんし、又、お巡りさんも頻繁に巡回していますので、車での花見は
無理かも。 


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