私の大事な スパナセット,クラフトマン(CRAFTMAN)製 [レストア共通事項・用具等]
下写真の上段ツールボックスがインチネジ用。 下段のツールボックスがメートルネジ用です。
クラフトマンの汎用のツールボックスに汎用の硬質スポンジ状スパナホルダーを貼り付け、私オリジナルのツールボックスを2個作りました。 黄色い部分はスパナのガタつき防止の為のウレタンです。
汎用ツールボックスへのスパナホルダーの貼り付けは下写真の様になっています。
中に入っているスパナはコンビネーションタイプで、インチネジ用・メートルネジ用共に下写真の様にロング・標準・ショートタイプのセットです。 この他 インチとメートルのフレアーレンチ各一組です。
(コンビネーションタイプとは、1つのスパナで片側がスパナで、反対側がメガネレンチのタイプの事。)
ロングは私にとっては一番使いやすいが、細いネジの場合締め過ぎ要注意です。
ショートはスペースの少ない時に大活躍で、使用頻度は少ないが、時折 「買っておいてよかったァ~」 を実感します。
インチネジ用スパナの寸法は、
1/4 (6.4mm), 5/16 (7.9), 11/32 (8.7), 3/8 (9.5), 7/16 (11.1),
1/2 (12.7), 9/16 (14.3), 5/8 (15.9), 11/16 (17.5), 3/4 (19.1),
13/16 (20.6), 7/8 (22.2)
メートルネジ用スパナの寸法は
7mm, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19,
日本の一般的なメートルネジ用セットに含まれていない物を黄色で表示しました。
アメリカ社会はほとんどがインチネジの為、メートルネジはどのサイズが必要なのか分かってなさそうで、ともかく 「全て揃えました」 と言う感じです。
これだけ揃っていてもレストア作業をフルカバー出来ず、モンキーレンチのお世話になる事もあります。
ツールはアメリカ製、レストアしている車はイギリス製。 1960年代は、アメリカ,イギリス,日本共に各国独自のネジの規格だった。 で、「ちょっとの所で使えません」 と言う事がたまに発生しています。
今ではISO規格で世界標準が設定されていますが、アメリカは依然インチが主体です。 こんなアメリカの姿勢が GM迄もが破たんする一端でもあるのでしょう。
ここをクリックし、早くこのツールが使える様 応援をお願いします。 niceもね。
サンドブラスターの砂のメンテ [レストア共通事項・用具等]
で、私のレストアで大活躍しているのがサンドブラスターです。
多分、レストアをしている私より活躍しているかも。---そんな事はないか。 サンドブラスターは私が動かさないと動かないんだから。 でも、そう思うほど大活躍です。
錆取りや汚れ落としに大活躍しているサンドバラスターにも当然消耗品や時折メンテしないといけない項目があります。 その一つがノズルの摩耗による交換であり、砂のメンテと補充です。
ノズルの摩耗と交換は下記の記事でレポートしましたので参照して下さい。
http://hisashi1946.blog.so-net.ne.jp/2008-02-18
今回は、題記の砂のメンテをレポートしようかと思います。
(ブログって良いね~~。 仕事のレポートでは、タイムリーに何時,誰が,何を・・・等とうるさく面倒な事を。 挙句の果てに上司から ”何を言いたいのかわからん” 等と言われ。 ブログは思いつきで書けばいい。 上司もいない。 部下もいないけど。)---脱線ですよ。 昔の愚痴はいいから本題へ。
私がサンドブラストで使っている砂は錆取りが殆どですので 酸化アルミ系(アルミナ)の砂で、粒の大きさは ナンバー60~80番(約0.25mm~0.4mm)です。
この砂を錆びた鉄に吹き付けるので当然砂は砕けて、粒は小さくなり、果ては埃になってしまいます。 又、鉄から取れた錆が埃状になって砂に混じります。 砂をメンテしないとブラスターの中で埃が舞い、作業中の部品が見えなくなる程です。 更には、砂の粒が小さくなる事で、錆取り能力も落ちます。
( 今年はノーベル賞を4人も貰い、物理や化学がおおはやりとか。
で、サンドブラストの錆取り能力は F=xMV (F=MVの変形) Fは錆を取る能力 Mは砂の質量(重さ:砂の大きさ) Vは砂の衝突時の速度(エアー圧の強さによる) x は私が勝手に付けた砂の種類による錆を削る力で係数の数値は分かりません。 こんな所にも物理の法則が生きています。 ) ---ほらほらまた脱線
で、本題、
サンドブラスト キャビネット と 右が砂を吹き付けるブラストガン
砂のメンテは、ブラスターのキャビネットから下の掃除機で砂を取り出します。 右は取り出した砂。
掃除機の中の砂を少しふるいに取り、するいで細かな砂やほこりを取り除き、空色のバケツに大きな粒の砂だけを入れます。 ふるいの目は100番です。
で、どの位砕けた砂が取れたかと言うと、下右写真。 空色のバケツの中の砂はブラスターに戻し再使用します。 そして、砂が減ってきたら新たに購入し、補充します。
私の砂の購入先は㈱不二製作所で、購入のページは http://www.fujimfg.co.jp/ServiceKoguchihanbai.htm
そして、掃除機のフィルターはこんなに埃が。 約0.5mm積もっています。 これがブラストのキャビネット内で舞いますので、当然視界不良!!!
アクセルリンケージやキャブ部品の ”クロームメッキ” [レストア共通事項・用具等]
実はフェアレディ SRL311 のレストアの時もクロームメッキはしましたが、アメリカでの作業でしたのでメッキ屋さんに丸投げでした。 費用は意外なほど安かったと思いますが、これぞ ”アメリカ品質” と言う分厚いメッキ厚と荒い仕上がりで、サンダー目がいたる所に残っていました。
従って、クロームメッキに携わるのは初めてと言っていいほどです。 しかもクロームメッキに付いて教えてくれる方も少なく (メッキ屋さんも企業秘密的に考えている様で) 情報の少ない中での作業です。
尚、メッキ作業自体は専門のメッキ工場に依頼しました。---メッキは危険な薬品を使う装置産業ですので個人ではとてもできません。
(アメリカでは小物用のクロームメッキセットなる物も販売されてはいますが!!! 残った廃液をどうするんだろうね???)
と言う事で、まずはメッキの準備です。
キャブに付いているビスやリンク等を外し、サンドブラストで錆と汚れを落とし、左写真の様にドライバーをかける部分等をやすりで修正。
続いて、丸い物は中央写真の様に電動ドリルで回転させながらサンドペーパーで磨き、六角ボルト等は右写真の様に細目やすりで形を整えてサンドペーパーで磨きました。
尚、今回はエンジン部品ですので、外観の重要性は低く、サンドペーパーは800番までです。
下写真が出来上がってきたクロームメッキの仕上がりです。
で、下写真は、上一本がメッキ屋さんのプロの磨きで、下2本が私のサンドペーパー800番での磨きです。
写真ではよく分からないかもしれませんが、表面のなめらかさやメッキの輝きはほぼ同じでしたが、素材による傷等の凹凸はプロの方が少なかった。
尚、まったく磨かずサンドブラストだけですと下写真の様に梨地状のメッキになりました。
と言う事で、どの程度磨くと どの程度にメッキが仕上がるか見えてきました。
所で、クロームメッキと一口に言いますが、一般的には下記の様な構造になっています。
装飾用のメッキの場合、
最初に銅メッキをします。 厚みは1~2ミクロン(赤く色ずく程度)です。
続いて、ニッケルメッキをします。 厚みは3~4ミクロンです。
最後にクロームメッキで仕上げ。 厚みは0.1ミクロンとかニッケルメッキの黄色みが消える程度。
と言う事で、装飾用の場合、クロームメッキと言うのは表面だけで、主体はニッケルです。
尚、この厚みはメッキ屋さんと依頼主とで取り決めるものですので、話し合いで多少の変化を付ける事はできます。
又、ショックアブソーバーの軸の様な硬質クロームメッキなどは装飾用と全く違う厚みで、これもメッキ屋さんと依頼主との間での取り決めです。
ジャガー Eタイプのボルト・ナット・小物部品のメッキ [レストア共通事項・用具等]
今回は、ただただ文字を並べたようで、どうかな? もう少し簡単に出来ないかと考え込んでいましたが、今日のNHKのドラマでは ”大丈夫 それでいい”だったようで、このいやらしい内容で発進です。
ジャガーEタイプを個人でレストアをしており、ボルト,ナットや小物類はグリーンクロメート処理の亜鉛メッキ(緑色)をして来ましたが、ある方から ”ジャガーのメッキは白で、緑色のメッキではジャガーらしくない” との話があり、自動車用亜鉛メッキについて再度調べてみました。
Eタイプの生産時は、これ等の部品は、カドミウムメッキ(アルミの様な白色)です。 しかし、今は、カドミウムは公害問題でメッキにはほとんど使われていません。 (カドミウムは、いたいたい病(イタイイタイ病)でも知られる様に、体に蓄積され、体内のカルシウムを溶かし、骨粗しょう症の様な病気になります。)
従って、今は、本当のオリジナルのメッキでのレストアは出来ないし、イギリスから来る部品もユニクロメート処理(ユニクロ)された亜鉛メッキ品(青白い色)です。
このユニクロは亜鉛メッキの中では、最下段の試験データーの様に防錆力の弱い部類に入り、 ”長く錆びない車” を目指す私は簡単にユニクロで良しとは行かず、次ぎの様にする事にしました。
* エンジンやサスペンションで要見栄え部品は3価クロームの亜鉛メッキにクリアー塗装追加。
* その他のボルト,ナット,小物は従来どおり、グリーンクロメート処理の亜鉛メッキで防錆力確保。
* フロアー下等一般に見えない部分のブラケット類や本来黒色塗装の部品はカチオン塗装。
(イギリスから来る新部品も再メッキしていますし、これからも上記にそって再メッキを予定。)
ここで目新しいのは、3価クロームを使用した亜鉛メッキです。 亜鉛メッキの亜鉛は腐食(白錆や黒ずむ)しやすく、その為、クロメート処理という亜鉛メッキの表面にクロームの化合物を作る処理をし、亜鉛を保護します。 従って、ネジ等亜鉛メッキをした部品は、表面のクローム化合物が破壊(腐食?)され、更に亜鉛が腐食して始めて、鉄の赤錆が始まります。
3価クロームの亜鉛メッキは、表面にクロームの化合物を作る為、従来の6価クロームから3価クロームに変えたものです。 色は黄色みがかった白の為、少しは ”ジャガーらしくない”が解決できます。 6価クロームは毒性が強く、公害の点からヨーロッパ等では使用禁止になりつつあり、日本も近々に。そこで、最近日本の自動車メーカーも3化クロームに変え始めています。
6化クロームについてはこちら http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E4%BE%A1%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0
で、亜鉛メッキの防錆力は一般に ”塩水噴霧試験” で確認します。 この試験は小さな部屋に部品等の試験品を入れ、35℃に暖めた5%の塩を含んだ塩水を霧状に噴霧し、錆を促進して確認します。
詳細はこちら http://www.scas.co.jp/electronics/pdf/sn015.pdf#search='塩水噴霧試験'
亜鉛メッキの防錆力はJIS(日本工業規格)等では規定がなく、メッキ屋さんと購入者の間で取り決める事になっております。 自動車会社良く使われているメッキの厚さ 8ミクロンではおおよそ下記の様な防錆力と思います。
ユニクロ亜鉛メッキ 色 : 青みがかった白 24~50時間で亜鉛の白錆発生、 100~200時間強で鉄の赤錆発生
有色クロメート亜鉛メッキ 色 : 黄色
70~120時間強で白錆発生、 200~500時間程度で鉄錆発生
3価クロームを使った有色クロメート(黄色みがかった白)は、同程度の防錆力か若干落ちる様です。
黒色クロメート(黒色)は同程度の防錆力か若干いい様です。
オリーブクロメート亜鉛メッキ 色 : 緑色(色のバラツキがあります)
150時間強で白錆発生、350~1000時間程度で赤錆発生。
赤錆の出る迄の時間が、例えばオリーブクロメートで 300~1000時間と範囲が広いが、それだけメッキは均一にするのは難しく、試験も又一定の条件で確認するのが非常に難しいものです。 メッキメーカーによっては鉄の赤錆が出る迄の時間をこの1.5倍位に書いているメーカーもありますが・・・・。
尚、カチオン塗装は鉄の赤錆が出る迄に700時間以上持つ様に規定している自動車会社が殆どで、実力は1000時間を優に越える防錆力です。
初めて買った車の本、 御年44歳 現役復帰 [レストア共通事項・用具等]
何十年も押入れに眠っていて、約5年前に取り出し、ここ4・5年良く見る本があります。
それはこの本です。 色あせ、カバーも擦り切れていますが、車の本としては最初に購入した本で、ここまで来ると手放す事はないでしょう。 ちなみに450円。 当時としては高価な本だったと思います。
この本は、私が17歳の時に買った本で、当然高校生、田舎にいた時です。
田舎から神奈川に出てきた時も、結婚し現在の家に引っ越した時も私と共に移り住んできた本です。 そして、荷物や新しい本が増えて、いつの間にか押入れの住人にされていました。
押し入れからのお出ましは、フェアレディのレストアも終り、日本への里心も出始め為、アメリカから帰国し、定年退職をした時の余暇の為に、もう一台レストアしようと考えたました。
一時帰国した際に、レストアする車を選ぶ為、押入れからこの本を出し、アメリカに持ち帰ったしだい。以前紹介した ”Hemming” の記事と見比べながら、現在レストア中の車を選んだしだい。
Hemmingの記事はこちら http://blog.so-net.ne.jp/hisashi1946/2006-11-03
勿論、Eタイプのノーズの長いスタイルや当時としては先進的なメカが好きだった事は言うまでもありません。
で、この本の中身は、下写真の様な時代の本です。
ジャガー Eタイプも右上に載っています。 ホンダ スポーツ 360 本当に販売されたかな?
ちょっと新しい本として、下の本も同様に押入れから出し、今は、上記本と並んでいます。
セロテープで補修する等して、良く見た本でした。
中身はこんな。 この頃は、のびのびとした大きなアメリカ車が全盛であこがれたものです。
ポインティアック GTO,とマスタングが好きで、バラクーダーも捨てがたい。
新しい エアー コンプレッサー 到着 [レストア共通事項・用具等]
10月1日のブログで、エアー コンプレッサーのコンロッド破損を報告しましたが、2回目の破損であり、修理費は11,000円との事。 2度ある事は3度目もほぼ約束されている様なもので、新たにコンプレッサーを購入し、今日到着しました。
予想以上に早い時間の到着だったので、午前中はコンプレッサーを受領後に畑に行き、午後開梱し、設置しました。
畑にかぶの種を蒔き(蒔く最適期かは疑問?)、里芋を1株だけ収穫し(少人数の我家はこれで充分)、引揚げて来ました。
で、今回の畑での最大の収穫はこれです。
そうです。 私の家庭菜園は厚木基地の近くですので、飛行機好きのGo-Rayさんの誕生日の事もあり、日頃雉を追っているレンズを更に上に向けました。
(厚木基地は戦後にマッカーサーが始めて降り立った飛行場です。)
午後は木箱を開梱し、コンプレッサーの設置をしました。
設置は、写真のコンプレッサーの下の床の下がピットになっており、ここに入れました。 (住宅街でもあり、防音の為にピットに入れています。--又、外気を導入する扇風機は設置する。)
コンプレッサーのモーター出力は従来品と全く同じですが、ベルトで変速している分回転が落ち、吐出量は従来の約半分の100L/分で、タンク容量は58Lと従来の約1.5倍です。
従って、サンドブラストでは今迄以上にエアー圧の上がる待ち時間が増え、効率は悪くなると思いますが、今回は ”故障しない” ”ブレーカーの落ちない” 機械としてこれを選びました。
当機械は日本のメーカーの中国工場製の様です。 中国? ちょっと心配はありますが、100V電源でスペースも考えるとこれが良いと思ったしだいです。
アメリカ の クラシックカー レストア工場 [レストア共通事項・用具等]
2004年2月、ジャガー Eタイプを購入しボディのレストアを、アメリカでするか、日本でレストアをするかを検討する為、アメリカのレストア会社での見積もり及び工場見学をしました。
この会社はオハイオ州シンシナティに隣接するケンタッキー側にあり、シンシナティのジャガークラブ推薦の会社です。
ボディのレストアの見積りは、車に付いている全ての部品を取外し・取付け,フロントフロアー,トランクフロアー,シル,ダッシュロアー,ドアーアウターの交換と板金、下塗り迄で$14,600 当時の日本円で約150万円。
しかし実際の費用は週単位で作業時間を計算、月毎に作業分を支払うと言う方法で、工場の作業状況を見ていると、どうも見積もり金額を大きく超えそうでした。 と言う事で、日本でのレストアとなりました。
私の感じでは、シンシナティのジャガークラブ推薦だけに、作業品質は全く問題なく、費用は日本と同等か高いと言う感じです。
見積りの為、車を牽引して行く。
このトレーラーは普通免許で牽引でき(日本では牽引の免許が必要)、レンタカー会社ではこのサイズのトレーラーであればフルサイズのピックアップトラックでの牽引を条件に誰にでも貸し出してくれます。
レストア工場
工場は棟続きに4棟あり、 一番手前の車両置き場です。 ここでボディ以外の分解も行う。
2棟目のボディレストア工場
この車も2棟目で作業中。 この車はほぼ全ての部品をたたき出しているとの事
3棟目、 ボディとボディ部品の仕上げ工場との事。 奥に見える4棟目が塗装工場と塗装オーブンの扉
工場内の写真を撮って良いとの事でしたが、作業者は出来る限り写らない様にとの事で、あまりいい写真とは行きませんでしたが参考までに。
エアーコンプレッサー 2度目のコンロッド破損 [レストア共通事項・用具等]
2年間使用してきたエアーコンプレッサーのコンロッドが破損しました。
以前から失敗した買い物 No.1に上げていた 家庭用コンプレッサーでサンドブラスト専用です。
前回のコンロッド破損は、購入後ちょうど1年目でしたので、クレームで新しいコンプレッサーと交換できましたが、今回はクレームとは行かず、又私のような使い方では直しても、その内又壊れるでしょう。 修理費用を確認中ですが、多分別の物を購入する事になるでしょう。
2馬力のモーター付きで、吐出量は185/224 L/minとの表示で、関東では多分185Lなのでしょう。 (関西の交流 60サイクルが羨ましい。)
この容量ではサンドブラスト用には全く足りず、ブラストし始めると2分位で5Kg/cm2以下になり、3分くらいで3Kg/cm2以下になりブラスト出来なくなります。 粘って5分です。 そして休憩し、圧が上がるのを待って、又ブラストの繰り返しですからコンプレッサーにとってはオーバーロードでしょう。
7月頃より、なぜか安全用リミッタースイッチが入ることが多くなり、変だなぁ~と思いつつ、オーバーヒート対策用の冷却用ファンを追加 (hhttp://blog.so-net.ne.jp/hisashi1946/2007-08-06 参照)しただけで、だましだまし(と言うより我慢しいしい)使っておりましたが、ついに2度目のコンロッド破損です。
1回目の破損
シリンダーを外した処。 コンロッド上部から破損 中央の丸いのが破損したコンロッドとピストン。シリンダーも破損
今回の破損
コンロッド下部からの破損です。 ピストンとコンロッドは一体型です。
破断面です。
黒い部分(右写真のくさび状の部分)がだいぶ前から亀裂しており、これを基点に疲労破壊が進んだ物と思います。
疲労亀裂の方向は写真の左右方向で、クランクは写真の上下方向に回転するので、今回の亀裂はクランク部のベアリング位置とシリンダーの位置がクランクの軸方向でずれていた為にコンロッドに曲げ荷重が入り、疲労した様に思います。
クランクのベアリングは内径・外形共に圧入で固定の為、クランクの軸方向に全く自由度のない設計が悪いのでは? 販売価格からすると安かろう悪かろうと言う所かな。
私は”安物買いの銭失い”でした。
ボルトの強度とメッキ [レストア共通事項・用具等]
まだまだ暑さが続いております。 今日は暑く、なんと2時に起きてしまい、寝付けません。
そこで、今月初めに少し触れたボルト等の亜鉛メッキが昨日完成してきた事もあり、ボルトの強度とメッキについて書くことにします。
当然ですが、自動車のネジは使う場所に合せた強度のネジを使用しています。 例えばエンジン内部のネジには強度の強い物を、 エンジンのカバー等は強度の比較的弱い物を使用しています。
私のシルビア(S12)もボルトの頭(六角部)に写真の様に数字が打たれており、これが強度の分類になっています。 頭の無印の物が最も弱く、写真の ”7”と刻印された物は強く、 ”9”と刻印された物は更に強くなっています。 その他にシリンダーヘッドボルトやコンロッドボルト等は更に特別に強くしたボルトが使われています。
写真の左側2本がシルビア用 右3本がジャガー用 今回メッキしたボルト。 使う場所毎に記録
ジャガー用は刻印はあるが、内容が分からない。 してあり、1本1本分類します。
しかしジャガーのボルトはシルビアのボルトの様に明確に強度のわかる表示が見つかりませんでした。
従って、今は外したボルトの傷み具合を細かく見て、使えるものは再メッキをして同じ場所に再使用する様にしています。 再使用できない物は部品カタログから選び使用する場所毎に購入しています。 ジャガーの部品販売店から汎用のネジキットなる物を購入しましたが、機能部品や力のかかる部分には使用しない様にもしています。
更に強度の強いボルト(焼入れボルト等)は単純に亜鉛メッキをすると、締付けている時に破損したり、何時間後か何日後かにボルトが破損している事があるのです。
これはメッキに使う薬品に含まれている水素がメッキの作業中に鉄の内部に入り、壊れやすくなる為です。 その為、強度の強いボルトは水素脆性処理と言う、水素ガスを追い出す処理(ボルトを200℃位で数時間暖める)をします。
ジャガーのボルトもかなりの場所に強度の強い物が使われているが、どれがどうだか分からないので、取合えず再メッキしたものは水素を追い出す処置もしています。
サンドブラスト トライアル(ガラス ビーズとくるみ) [レストア共通事項・用具等]
フロントカバーはサンドブラストと塗装の失敗と思い、4月から放置してあったが、いよいよ使用の時期になり、再度塗装を剥し、サンドブラストのトライアルを実施致しました。
前回のフロントカバーのブログは
http://hisashi1946.blog.so-net.ne.jp/2007-06-17
今回はガラスビーズの新品を使ってブラスト。 吹付けエアー圧は実質3.5kg/cm(吸引式なのでブラスト会社はこの位のエアー圧が良いとの事)で実施。 結果は写真の様に成果無しです。
前回のガラス ビーズ 100番(数回使用後の物)によるブラスト結果
下の写真で、茶色線の上半分が今回のガラス ビーズ 100番(新品)によるブラスト
と言う事で、我家のブラスターではガラス ビーズでアルミをぴかぴかに光らせる事は出来ないと判断。
尚、アルミ部品の場合、ガラス ビーズは3~4回は新品同様に使える事が分かった。
続いてくるみの60番 エアー圧実質3.5kg/cmで実施。 上写真の茶色線の下半分がクルミでブラストした結果です。 これも、写真の様に若干艶がでたかなと思う程度で、成果ありには程遠い。
(フロントカバーはガラス ビーズのブラストに塗装で使う事にしました。)
尚、プラスチック ビーズは非常に高価(約10倍の値段)で手が出ませんでした。
又、せっかくクルミを手に入れたので、クロームメッキ品の汚れ落しも確認しました。
下写真の様に、ブラストをしていない黒マジック線の上の部分と、ブラストをした他の部分ではかなり差があり、”汚れ”は落ちています。 しかし、ワックスがけによる磨きのほうが更に綺麗になります。
ワイヤーホイールの様な手の入らない所などには期待したい所です。
と言うわけで、今回のトライアルはよい結果はありませんでした。
日本車として、初めて海外のレース (日産がDATSUN210でオーストラリアのラリー)に挑んだ、大家さんから、 「失敗をきちんと留めて置く事が技術の進歩につながり、成功体験は進歩にはつながらない」と言う事をはるか昔伺いました。 その意味では前進の足がかりにはなったと思う。
エンジンレストア (サンドブラスター 製作) [レストア共通事項・用具等]
シリンダーヘッドも色々問題がありますが、 さしあたって、40数年間の汚れと錆(腐食)落しです。
シリンダーヘッドは約20Kgと重く、長さが70Cm強と大きい為、既存のサンドブラスターでは対応できず、臨時のサンドブラスターを製作しました。
まず、重量に対応し、上下と回転が出来る様にエンジンスリンガーを使用し、既存のブラスターの部品を活用、しかも臨時の為、可能な限り安価にと考えました。
ベースとなるブラスターのボックスです。 大きさは内寸で幅54Cm,奥行き60Cm,高さ90Cmです。
完成した状態
ボックス内側にポリ袋を貼り、ポリ袋の上と下の封を切りました。
スリンガーで上から部品が入れられ、作業中は上部をひもで封をする。 部品の上下動・回転が可能。
又、下からはブラストした砂を抜く。 作業中はひもで封をする。
ブラストボックスのグローブ(黒い丸い穴)は既存のグローブを流用
後ろから見た所
ボックスの上側に排気のエアークリーナー(エアーが抜けて、埃が外に出ない様にバイク用の廃物エアークリーナーを使用) 下側のポリバケツにブラストの砂を入れ、ブラスターノズルに砂を供給する。
ブラスターノズル
コンプレッサーからのエアーホース(橙)とポリバケツからの砂供給ホース(水色)を接続するのみ
シリンダーヘッドにロッカーカバーを付け、他の燃焼室・給排気の穴等は全てマスキングし、サンドブラストした。 結果はほぼ予想通り、ブラストできました。
シリンダーヘッドは約半分ブラストした所で、雷を伴う雨となり、完成は明日に持越しです。
当臨時のサンドブラスターは今後ホイールハウスのスプラッシュガードやラジエーターグリルにも使う為、次回迄にはブラスター下部の砂回収を改良し、循環式を目指したい。
今回のブラスターは、砂がなくなったら下部のひもを解き砂回収しポリバケツに供給する為大変面倒です。
サンドブラスターとその周辺機器 [レストア共通事項・用具等]
車のレストアでは、最も費用の掛かるのは部品代ですが、最も時間のかかる作業は錆取り・汚れ落しです。
その錆や汚れを効率よく落す為にはサンドブラスターが効果的です。 私はSRL311をレストア中に購入しました。 日本ではアストロ プロダクツ等の自動車整備機器販売店で売られています。
サンドブラスターは、高圧のエアーで細かい砂を吹きつけ、錆や汚れを吹き飛ばす装置です。 ワイヤーブラシやサンドペーパー等では取り難い凹み部分や溝なども一瞬の内に綺麗に錆を取る事ができます。 又、ガラスビーズやプラスチックビーズを吹き付ける事で、表面を磨いた様な輝きにする事も出来ます。
と言う訳で、レストアを本格的にやろうとするには非常に重要な機器で、私のブラスターとその周辺機器を紹介します。
尚、サンドブラスターは東京 江戸川区の不二製作所で小型から超大型迄タイムレンタルをしていますし、レンタル場の方がブラストの機能や使い方等を親切に教えてくれます。 更に近くの関連会社では請負作業もしてくれます。 ホームページは右記 http://www.fujimfg.co.jp/
サンドブラスター ; 長さ65cm×幅45cm×高さ25cmの物が入る。16インチのロードホイールが入る大きさです。 ジャガーのエンジンはこれより大きいので更に知恵を使って見ます。
グレーの箱は椅子代わりの収納ボックス (350ドル 約40,000円)
使用している砂は#60と#80のアルミナと#100のガラスピーズ(アルミ部品の艶出し)です。
(4kg 約1,600円)
エアーコンプレッサー ; サンドブラスターに高圧のエアーを送る為の機械です。 5mm程度のノズルのサンドブラスター用としては全くの容量不足です。 この倍位は必要。 買ってしまったので使っています。 (約36,000円)
又、コンプレッサーは音が大きいので、車庫に深さ約80cmのピットを作り(ブラスターの写真の床板の下)ここに格納し、使用しています。
車庫の清掃用に購入した掃除機ですが、サンドブラスターの砂の入れ替えにも使用しています。
( 6,000円位だったと思います。)
自作のふるいです。 サンドブラストでは砂を鉄板等に強く吹き付ける為、砂が割れて粉状になると共に落ちた錆も粉状になります。 それを使える砂と不要な砂に選り分ける為に作りました。
#30~#150迄の6種類作ってみましたが、今は#30でごみを取り、#150で粉状の砂を取り除く事が最も多い。 これからアルミなどの輝きを出す為には#60,や#100が活躍すると思います。 金網の価格は、兄が購入したので ”ありがとう 円”です。
安物買いの銭失いか? マイクロメーター購入 [レストア共通事項・用具等]
以前から必要と思っていたマイクロメーターが一般の2割位の価格と安かったので、衝動買いをしてしまいました。
購入したのは 0-25mm,25-50mm,50-75mm,75-100mmの新品4点。 メーカー名・生産国名の表示が無く、総額10,750円。 (ようは品質の保証者がいないと言う事だろう)
今迄は某所の測定具を使わしてもらっていましたが、何時迄もと言う訳にも行かず、又、Eタイプの部品は重く持ち運び出来ない為、どうしても購入したいと思っていました。
昨日品物が届き、今日早速、某所の測定室で精度検定をしました。
結果は4点のうち50-75mmの誤差が大きく(ベースの色等も他の物とは異なっている)、0.005mmでした。 マー使えるでしょう。 耐久性は??? エンジンのブロック回りの測定が終わった時点でもう一度検定し再確認した後にヘッド回り等の測定も行う予定。
購入した 4点のマイクロメーター。 今時、木の箱です。
検定作業, ミツトヨさんの0級セラミックのブロックゲージ(誤差 0.0003mm以下)で、5mm単位に行き(はさむ幅を広げる方向)・帰り(幅をちじめる方向)の誤差測定をしました。
次はシリンダーボアーゲージを早急に探したい。
ジャガー Eタイプの部品の値段は高くなかった !!! [レストア共通事項・用具等]
Eタイプのエンジンのレストアも始まり、部品を追加購入しなければならなくなっています。
そこで、2004年、米国在住中に購入した英国製Eタイプの部品価格と、昨年 レストアした国産車のエンジンの部品等と比較し、値段を考えてみました。 為替は1ドル=119円で計算
(昨年のエンジン レストアはフェアレディ(SRL311)ではありません。)
ピストン リング E タイプ 114.5ドル(13600円) 6気筒分 2004年購入
国産エンジン 16100円 4気筒分 2006年購入
クランク メインベアリングセット E タイプ 90ドル(10700円) 6気筒分 2004年購入
国産エンジン 19400円 4気筒分 2006年購入
クラッチ セット (カバー,ディスク,レリーズベアリングの3点セット)
E タイプ 225ドル(26800円) 2004年購入
国産車 30900円 (3部品の合計金額) 2006年購入
フロント ガラス E タイプ 410ドル(48800円) 2004年購入
フェアレディ(SRL311) 米国ローカルパーツ 色付 380ドル(45200円)2001年当時
おおざっぱに言って 英国や米国ではジャガー E タイプの部品は、国産車の部品より安いと思う。 と言う事で、私は、今後とも英国の部品会社から部品を購入します。 輸送費・通関費用などは、ある程度部品をまとめて購入すると割安になり、それほど高い物ではありません。
又、英国の部品会社はE タイプの部品を多数そろえていて、今までに購入できなかった部品は
ボディ用のビス一種類です。
ブログランキング、何時も応援有難うございます。 Eタイプをクリックし、引き続き応援をお願いします。
フェアレディ(SRL311) と ジャガーの輸入 [レストア共通事項・用具等]
私は日本に帰国する時、フェアレディとジャガー Eタイプの2台を生活用品として ”免税” 扱いで持帰る(輸入)事が出来ました。 ジャガーは帰国の3ヶ月前に購入した為、免税扱いは無理と思っていましたが許可されました。 ちょっと長くなりますが、はしょらず書いてみたいと思います。
又、実際に持帰りを考えている方は、2004年の事ですので本情報を参考に 日通さん等に再度確認する事をお勧めします。 法律が変わっている事もあります。
自動車や自動車の部品の輸入には、”関税”はかからず、消費税5%がかかり、生活用品として車を持帰る(輸入)場合、この消費税が無税になるわけです。
又、生活用品として持帰る場合、本人帰国後6ヵ月以内に通関を済ませないと”免税”の許可が下りないとの事です。 生活用品として免税で持帰ると2年間は転売や貸与も禁止になります。
私の場合、帰国後車庫の改造等があった為、3月末の帰国でしたが、日通さんに現地で6月末迄保管して頂き、その後船積みして頂きました。
生活用品としての通関に必要な書類は、パスポートのコピー,帰国時の飛行機のチケットのコピー,アメリカでの車のタイトル(車検書の様な物,下書類参照)のコピー,買った時の売買契約書のコピー,引越し荷物免税申請書,免税扱い申告書,流用禁止誓約書(下記書類参照),船積み申請書です。
非常に書類が多いのですが、これ等は輸送会社で書類を持参説明してくれます。
尚、私がアメリカで日系の大手輸送会社数社を調べた結果では、日通さんが最も快く引き受けてくれ、しかも、3ヵ月もシカゴで無料保管してくれました。
帰国後あわただしい毎日を過しながらも待つ事4ヵ月。 日通さんの”依頼”で三大自動車さん(ホームページは下記)が、ジャガーを横浜港から自宅まで運んでくれました。 フェアレディは日通さんの”紹介”と言う形で同じ 三大自動車さんが車検を取り、8月初めに納車されました。
(元々日本に持帰る事を前提にレストアしたので、車検時の特別整備は無く、日本の法規に合せる為、スピードメーターへのキロメーター表示の追加のみ。)
http://www.sandai.ne.jp/sandai/index.html
日本での通関時に発行される書類は、輸入許可通知書と通関証明書です。 この内”通関証明書”は車検を取る時に必要な大事な書類です。
車の輸入後に発生する仕事は、約半年後に”免税自動車使用状況について”と言う調査書類が税関から送られてきて、車の登録状況等を報告(下記書類参照)します。
私の場合、ジャガーは未登録であった為、更に約1年10ヵ月後に税関の方が車を見に来られました。 ジャガーは完全に分解してあった為、税関の方が自宅に来られ、エンジン番号やトランスミッション等を確認し、又、ボディメーカーでボディを確認してOKとなりました。
フェアレディは車を見るなりOKでした。
通関費用を含めた輸送費は、フェアレディとジャガーの2台をアメリカ ケンタッキーから自宅又は車検の会社迄で 約6800ドル, フェアレディの車検費用は自宅迄(東京から神奈川県)の納車費用や強制保険・税金等諸費用も含め 約43万円でした。 車検費用は排気ガス対策が必要かどうかで大きく変わり、私の車は排気ガス対策不要の費用です。 排気ガス対策の要否は車の生産時期で決まります。
これからは早くジャガーのレストアを完了し、街を走る事です。
ジャガーのタイトル,前の登録地は”TX” (テキサス)
フェアレディの税関への報告書, ジャガーは最下段の”現在までの用途”に”エンジン油漏れで修理中”と書きました。