お裁縫で(車の)内装をリフレッシュ, その3 [ EーType シート(いす)]
雑誌の記事をきっかけに書く事になった 「お裁縫で内装をリフレッシュ」 の3回目です。
今回は革についてです。
かわは動物等から取ったままでは生の状態で、腐ったり乾燥して硬くなったりと変質してしまいます。 そこで生のかわを薬品に浸けて、安定したかわに加工する作業を「なめし」と言います。
で、かわは、なめして無い物を 「皮」 と言い、皮をカバンや靴,車の内装等に使える様に「なめし加工」した物を 「革」 と言うのだそうです。
下写真左は、アメリカに住んでいた時にレストアした ダットサン フェアレディ(SRL311)の椅子を「Bill Hirsch」 さんから購入した革で製作した物です。
写真右はレストア前にフェアレディに付いていた椅子の表皮です。 ビニールレザーのオリジナルで、ボロボロでした!
Bill Hirschさんのホームページ http://www.hirschauto.com/
フェアレディに使用した革がいい感じでしたので、ジャガー Eタイプ用にも「Bill Hirsch」 さんからアメリカのベンツに供給していた革を購入しました。
(ベンツ用の質は程々でしたが、上のフェアレディ用に購入した革の方がはるかに良い物でした。)
残念ながら私は日本国内で革を購入した事はなく、何処が良いとか具体的な情報提供は出来ません。 ただ、 「原皮」等でネット検索すると幾つかの会社がリストアップされますので購入は可能と思います。
尚、日本国内から 「Bill Hirsch」 さんへの注文も可能だと思いますが、革を裁断して少量購入と言うのは無理だと思います。
下写真は購入した革の1枚(牛1頭分)で、「Bill Hirsch」さんの表示では2.4mX2.4m(60.75平方フィート)の大きさで、約10年前に約300ドル、当時の円に直すと33,000円位だった。 現在の価格は多少値上げされている様です。 こげ茶の細長い棒が2mです。
Bill Hirschさんのベンツ用革のページ
http://www.hirschauto.com/Mercedes-Benz-Leather/products/72/
革は生き物から取った物ですので、一頭分の中でも場所によって性質が大きく異なります。
下記は 「美津和タイガー株式会社」 さんの 「野球博物館」 に載っていたピクチャーに私なりの追記をさせて頂きました。
野球用品の 美津和タイガー株式会社の通販のページ
http://www.mitsuwa-tiger.com/tigernet/catalog.html
野球博物館のページ http://www.mitsuwa-tiger.com/museum.html
小さめの黒字が野球のグローブに使う位置を表しています。 緑と黄色が私の追記です。
緑字の部分が ”牛の背中” 部分で、硬めで腰があり強度も強い為に椅子の着座部分や背もたれ部分等強度の必要な部分や摩耗する部分等に使いました。
黄色丸の部分は ”牛のわき腹の部分” で、 柔らかめである程度腰もある為、椅子の裏面(シートバック)や内装の手に触れる部分,見てくれの必要な部分に使用しました。
その他の外周部分は何より腰が無く、引張ると簡単に伸びてしまったりで、見えない部分や力のかからない部分に使用。 とは言え車の内装ではこの様な部分は少なく大半が廃却です。
又、人は転んでの擦り傷や虫に刺されてのひっかき傷,料理中に誤って手を切ってしまったり、と怪我をします。 当然傷痕の皮膚は正常とは異なった見てくれになってしまいます。
牛も同様で、当然の事ですが、革にした後にも傷痕が下写真の様に残っています。 しかも傷痕は場所を選びません。
上左の傷痕は、部品の製作完了後に発見した物で、何と部品のド真ん中でした。 椅子等では多分廃却,再度製作でしょう。 幸いカーペットに相当する部品でしたのでそのまま使っています。
そんなこんなで、革は、牛の腹に相当する外周部分や傷,シワ等、又裁断時の無駄等もあり、今回のEタイプでは50~60%位が有効活用出来、使えない部分や端材が4・50%も発生しました。
次回は縫製作業(お裁縫)です。
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