家紋を作っています。 アルバイト先の凝った仕事です。 [クラシックカーの部品を再製する]
私のアルバイト先には精密に写真を撮る機械があり、この機械で写真を取り、デジタルデーター化し、製品の寸法を測定したり、そのデーターを元に CADデーター(電子図面)に変換し、自動機械で加工し製品を再生したりするシステムがあります。
詳しくはカテゴリー 「クラシックカーの部品を再生する」 を参照願います。
で、そのシステムを使って、下の様な家紋を作っています。
大きさは直径100mmで、材質は左が真鍮,中央がステンレス+表面処理,右が銅+表面処理です。
ずっしりと重くなかなかの物です。
![IMG_3324[1].jpg](https://hisashi1946.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_6a2/hisashi1946/IMG_33245B15D.jpg)
加工は厚い金属材料からの削り出しです。
中央の桐の家紋は自動機械に直径0.5mmの刃物をセットし、24時間かけて削り出しました。
刃物はシャープペンの芯と同じ太さのドリルの様な物。 肉眼ではなんとなくラセン状の極細い棒にしか見えない。
何故こんな細い刃物を使って加工するかと言うと、ただタダ 「本来の家紋を可能な限り正確に削り出したい」 から。 例えば1mmの刃物でば、半分以下の時間で加工できるが、太さ1mm以下の線は1mm以上の線に変更せざるを得ず、鋭角の内角は角に1mm以上の丸みが付いてしまいます。
0.5mmであれば、ほぼ全ての線を正確に削り出す事が出来、鋭角の内角の角も丸みを感じない。
で、社長いわく、一般的な家紋であれば材質や表面処理によって若干の違いはある物の、国内向けには 1つ5万円から7万円で販売するそうです。 本来海外向けに開発したシステムです。
金額だけを見ると高い様にも思う。 しかし、0.5mmの刃物を選んだ時点で、需要と供給で値段が決まる市場原理などと言う物は何処かに飛んで行ってしまった。
又、家紋は同じ様な物が多く量産可能な様に見えますが、実は3000種以上もあり、実際には一品加工品の様になってしまいます。
家紋の図案を削り出す為のデジタルデーター化の処理時間も充分すぎる程かけており、その上完全自動とは言え高価な加工機械を24時間も占領して! この値段では原価計算等と言う物も成立していない!
この商品の価格は、正確さ、精度の良さを評価してほしい。 そして24時間もかけて削り出す製作者の心意気を評価し、本当に高いか安いかを判断してくれればいい。
で、こんな箱も考えています。
檜の箱
![blogIMG_3297[1].jpg](https://hisashi1946.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_6a2/hisashi1946/blogIMG_32975B15D.jpg)
樹脂の箱
樹脂の材質は自動車部品等の検査をするゲージ゙用の材料で、半永久的に寸法変化しません。

![blogIMG_3328[1].jpg](https://hisashi1946.c.blog.ss-blog.jp/_images/blog/_6a2/hisashi1946/blogIMG_33285B15D.jpg)
家紋製作の問い合わせは、
http://www.daiei-press.co.jp/html/page09.html
又、市場にはないクラシックカーの部品も形があれば再生図面をおこし製作できます。
勿論、図面が無く割れてしまったプレス金型等3次元形状の道具も図面化や再製も出来ますので、上記アドレスで問い合わせて見て下さい。

まだまだ日本の物作りも元気です。 亀さんをクリックしブログランキングの応援もお願いします。
職人の心意気…こだわりを感じさせる逸品ですね
by 駅員3 (2011-07-01 10:51)
作業時間や刃物の寸法などを聞いちゃうと、7万円でも格安ですよね。
そんな我が家の家紋はありふれた五三桐です…。
by TS (2011-07-01 20:42)
以前、kotobuki1946 さんの記事を見せてもらって、
部品で困った時はお願いしようと思っていました。
こだわりを感じますね(^^)
by くっさん。 (2011-07-06 15:31)
とても魅力的な記事でした!!
また遊びにきます。
ありがとうございます!!
by 履歴書の書き方の見本 (2011-10-02 21:20)