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ジャガー E タイプ, プロペラシャフトのメンテとバランス取り [ EーType パワートレイン]

 
 今回はプロペラシャフトのメンテナンス及びバランス取りです。

 プロペラシャフトはエンジンの力をミッションを経由してリアアクスルに伝える大事な部品で、この車の場合は最高5500回転/分もの回転になります。 また、エンジンとミッションの振動も受けるので、それを吸収するユニバーサルジョイントや伸縮するスプラインも付いています。

 と言っても構造は簡単で、メンテ完了の写真ですが下の様になっています。

blogPA100605.jpg



 まず、フロント側のスプラインの付いたシャフトを外し、ユニバーサルジョイントを外してみました。

P9220567のコピー.jpg

 フロント側のユニバーサルジョイントのニードルベアリングがまたまた割れていました。
ドライブシャフトとプロペラシャフトのジョイント合計6個中3個のニードルベアリンが割れていました。
前にこの車を整備した人は雑だったんだろうなァ~ と思いながらも、私は大丈夫???
ニードルが倒れない様に細心の注意をはらったつもり。 多分大丈夫!!!
(右写真の様に組立て中にニードルが倒れ、むりに組立てると割れてしまう。)

P9220573のコピー.jpgP9270588.JPG

 で、リアー側のジョイントも外し、前後のジョイント共に新しいジョイントを組付けました。
 従来のジョイントはベアリングの幅が小さめで、従来のサイズがオリジナルなのか、今回購入した物がオリジナルかは分りません。 ただ言える事は従来品よりニードルが長く耐久性があると言う事。

P9270585のコピー.jpg

 次いで、伸縮の為のスプライン部分をシンナーで洗い、グリースを充てんし、ダストカバーを締めて組立ては完了です。 尚、購入しておいたダストカバーは形状が違い組付かず、従来品のダストカバーの劣化も少ない事から再使用する事にしました。
(3.8リットル車のプロペラシャフトは3年間で3回変更されており、部品を購入できるか分りません。)



 で、他人のやった事は ”これオリジナル?” 等と攻めたてますが、実は私もオリジナルとは大きく異なる部品を使用しての組立てとなってしまいました。 もし、この車を手放し、次の方が整備をしようとしたら ”なんじゃこれは!!!” となるでしょう。

 それはプロペラシャフトとデファレンシャルギアー(以下デフ)とのつなぎ部分です。
 ファイナルドライブギアーのカジリの修理としてアメリカから購入したギアーは、デフのフランジにプロペラシャフトのユニバーサルジョイントを直接締める様になっていました。
デフのカジリの記事は http://hisashi1946.blog.so-net.ne.jp/2010-07-30

デフのオリジナルのフランジ              アメリカから購入したフランジ
bloggP5160425.jpgbloggP8040563.jpg

 オリジナルではプロペラシャフトにもフランジを使用するが、新タイプはフランジを付けずに、プロペラシャフトのユニバーサルジョイントを直接デフのフランジに締付ける。
(写真はジョイントのベアリングにマスキングテープを巻いて塗装してあります。)

bloggPA100608.jpg

 で、組付けはこんな形になります。 この形、アメリカの旧車に良く使われていた形式です。

blogPA100612.jpg
 


 と言う事で、完成したプロペラシャフトにデフのフランジを付けて、相模原市の堀口エンジニアリング(株)と言う会社に、回転中のバランス修正をして頂きました。
 堀口エンジニアリング(株)は特殊車等の仮装をしている大きな会社ですが、こんな小さな部品1個でも親切に対応してくれます。
 堀口エンジニアリングのホームページ http://www.horiguchi-engi.co.jp/index.html

で、下がその修正結果の成績書です。
バランス修正_edited-1.jpg

 尚、この会社クラッチとフライホイールのバランスもとって頂きました。
なんと、2年半ぶり、2回目の堀口さん訪問でしたが ”以前にも来られましたね” だそうです。
その時の記事は右記 http://hisashi1946.blog.so-net.ne.jp/2008-03-19


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BPノスタルジックカーショー

おはようございます。

こんな会社が近くに欲しいです。
今ではどこも面倒くさいと断られる所が多いです。
by BPノスタルジックカーショー (2010-10-13 08:36) 

くっさん。

再訪がわかるってことは、それだけデータの管理がちゃんとしている証拠ですね。
これだけで、任せて安心って思います。
by くっさん。 (2010-10-13 08:46) 

駅員3

私は以前乗っていたAMG M151A2で、プロペラシャフトが、走行中にユニバーサルジョイントの根元付近から折れた事があります[失恋]
幸い速度が出ていなかったので、直ぐに停まることができました。
その後は、車の下に潜り込み、プロペラシャフトを外して、FRから四駆に切り替えて前輪に駆動を伝えて修理工場まで走りました[揺れるハート]
by 駅員3 (2010-10-13 12:23) 

OILMAN

こんにちは。
プロペラシャフトのバランスはどうやってとるんだろうと思ってましたが、専門の会社があるなんて知りませんでした。
by OILMAN (2010-10-14 21:34) 

kotobuki1946

BPノスタルジックカーショーさん
結構色々な会社があり、神奈川に住んでいてよかったと思います。
バランス取りは特殊な機械が必要ですので、やってくれる所が少ないんですよね。

くっさん
テストデーターもしっかりしており、技術員の方々はおっとり,おとなしそうで、見るからに真面目・正直そうな方たちで安心して頼める会社だと思います。

駅員3さん
プロペラのジョイント付け根から折れたんですか。 棒高跳びにならなくてよかったですね。 それにしてもジャーナルに大きな力が加わっていたと言う事はバランスが悪かったのかな? それとも元々傷などがあった?
何より無事故で良かった。

OILMANさん
ダイナミックバランス(回転中のバランス)を取るには専用の高価な専用の機械が必要で、バランス取りをしてくれる所は少ないと思います。

by kotobuki1946 (2010-10-17 09:51) 

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